宮津大蔵著書『ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚』読みました | J'aime・・・

J'aime・・・

私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

 ヅカ仲間のお友達から借りた、いや、正確にいうと、強引に貸してくれた(笑)、宮津大蔵著書『ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚』読みました。

 

演劇 内容(「BOOK」データベースより)演劇

「女なのに男の格好をして…一体どこがいいんやろ?」鉄道員一筋だった多々良源蔵は定年直前、それまで全く関心のなかった宝塚歌劇団の“生徒監”に任命された。突如娘たちの“お父ちゃん”となったことに戸惑いつつも真摯に向き合ううち、その眼差しに変化が―。大道具、プロデューサー、演出、父兄…タカラヅカを支える男たち=ヅカメンが織りなす、七つの奮闘物語。

 

ブーケ1 感想 ブーケ1

 目次をみて、元宝塚歌劇団月組男役真山葉瑠さんの投稿に目がいきました。。真山葉瑠(まやまはる)、愛称ルンパ。懐かしい~音譜。ルンパは、何でもできる、特に芝居のコミカルさが定評の男役でした。そして、私の職場の先輩(超宝塚ファン)が住んでた集合住宅のお隣さんでした。当時、ほとんど先輩宅に入りびたりだったアタシ。壁越しに聴こえるルンパの台詞の練習や発声練習にドキドキしていました。時にはすれちがったりラブラブ。そして、この著者宮津大蔵さんが、ルンパのご主人と知り、驚きながら読み始めました。ルンパからネタ仕入れたな~(笑)

 

 この本は、華やかな宝塚を裏で支える男たちの物語。フィクションとノンフィクションが絶妙に入り混じり、老若男女、宝塚好き・興味なし・アンチに関わらず、誰もが楽しく読める本です。そして、最後には「宝塚っていいな~」、観たことない人は「観たいな~」と感じるでしょう。

七つの男たちの奮闘物語、最初は「お父ちゃん」と呼ばれる生徒監のおっちゃんの物語。そこには、表に出ない影の苦労、「若いお嬢さんを預かっている」という責任感、そしてその思いはわが娘同様の思いにもなる。ほのぼのと温かい物語にウルっとします。アタシが男だったら、定年後に生徒監の「お父ちゃんになりたいな~。いやいや、「お母ちゃん」でもいいから雇ってくれないかな~、なんて思いましたが、そんな甘い世界じゃないようです(笑)。「お父ちゃん」の仕事、ホント、大変そうだわ~。

 音楽学校受験する父親の物語もありました。合格するものしないもの…、父の複雑な思いが描かれてます。

 そして組のプロデューサーの物語。イマイチその役割が分からなかったのですが、この本を読んで納得。「肩たたき」とよばれる辛い仕事の存在も知りました。プロデューサーえを名前で呼ばず、「月組さん」「宙組さん」と組の名前に「さん」を付けて呼ぶ。この呼び方も宝塚の特徴。組って宝塚の命なんだと思う。

 舞台作る大道具の兄ちゃんの話も良かった。最初は、雪駄履いて働くことに抵抗があったのですが、グイグイと宝塚の魅力に惹かれてくる。観る者を楽しませよう、驚かせようという思いが、海外公演、しかもミュージカルの聖地ブロードウェイで花開く。大道具の兄ちゃんの職人としての成長にも感動です。情熱をもって宝塚に関わる男子達の素敵な物語でした。

 演出家の話も面白かったです。特に印象深かったのは、阪神大震災の話。「宝塚はこれでおしまいだ」と誰もが思った未憎悪の震災。実際に宝塚で働く人たちもそう思ったのかと、あの震災の大きさを改めて感じました。その中での復興とともに、自分も被害に遭いながら「宝塚は大丈夫か?」と心配するファンの思いも描かれていました。それは、当時のアタシの気持と同じです。私も劇場を見に行きました。大きな柵の向こうにひっそりとたたずむ大劇場の姿に涙しました。そして、ガタガタに壊れてゆがんだ花の道、全倒壊した花の道のお店の姿は今も忘れることができません。阪神大震災の宝塚に関する物語を読んだのは初めてです。当時の思いが甦ると共に、「宝塚」という存在を絶対に消してはならないと感じながら読みました。

 7つの物語は、別々の主人公が描かれていますが、どこかで繋がりがあり、いろんな物語に登場してきます。そのつながりも面白く、温かさを感じました。宝塚が多くの人に支えられ成り立っていることが良く分かります。舞台に立つ生徒だけじゃなくて、多くの職種や役割を持つ人々が、愛と情熱を持って「宝塚」を支え創っていく。彼ら自身が「宝塚」という豪華絢爛な夢の世界に魅せられているのだと感じました。

ドラマ化しても面白そうな本です。キラキラ輝くヅカメンの物語、ぜひ皆さんに読んでいただきたいです。

 

 

 最後に、頼んでもないのに(笑)強引に(笑)この本を貸してくれたヅカ友様、強引に(まだいうか)貸してくれてありがとうございます音譜。ホンマ、ええ本でした。ますます宝塚が好きになりました。これからも一緒に観てゆきましょうね、応援しましょうね。私達の足腰が弱っても、お互い手を繋いで行きましょう音譜。補聴器つけて、入れ歯入れて、杖付いてでも行きましょうね!!