星組公演『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS(エストレージャス)』観て来ました | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

 めちゃくちゃ寒い1月のある日、そして、千秋楽間近の昨日2月2日、宝塚大劇場で、星組公演『霧深きエルベのほとり』 『ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~』を観て来ました★。星組が台湾公演のあと、初めて日本で公演する舞台。ワクワク音譜、ドキドキですラブラブ

 

Once upon a time in Takarazuka

『霧深きエルベのほとり』

作/菊田 一夫

潤色・演出/上田 久美子

 エルベ河に隣接する港町を舞台に、ビア祭りの日に出逢った恋人達……情に厚く人間的魅力に溢れながらもどこか哀しみを湛えた船乗りカールと、父親との確執ゆえ家出した名家の令嬢マルギットの切ない恋を描いた『霧深きエルベのほとり』。日本を代表する劇作家であり、演劇界に多大な功績を遺した菊田一夫氏が宝塚歌劇の為に書き下ろしたこの作品は、1963年の初演以来、幾度となく再演され多くの観客の心を捉えてました。今回は、1983年、順みつき退団公演以来36年ぶりの再演。宝塚歌劇が105周年を迎える2019年の幕開け、この作品に惚れ込んだ上田久美子の新たな潤色・演出により、紅ゆずる率いる星組での上演が決定。生きて行くことの寂しさや切なさ、今は薄れつつある人の情けの暖かさが描かれた、宝塚歌劇が時を越えて守り伝えて行くべき珠玉の名作の再演に挑みます。(宝塚歌劇団公式サイト)

 

 この作品を、台湾公演で大成功を収め、勢いを増す紅ゆずる率いる星組で再演するのか?昭和の宝塚作品の再演に「古くささ」はないのか?今の時代に響くのか?そんな疑問や不安とともに、紅さんなら、この奥深い大人の純愛を、うまく今の時代にそぐわせて演じてくれるのでは?という期待感もありました。 こころにジーーーンと響く素晴らしい作品でした。私の好きな宝塚作品ベスト10に入るかもしれないほど、儚くて、どうしようもなく切ない泡沫(うたかた)の恋物語でした。

 

 1月の観劇は12列の通路!この通路をカウフマン警部役の天寿光希

が通ります。めちゃ近くで観れて感激!芝居2回、、ショー2回の客席下りがありました。タカラジェンヌとのハイタッチも出来、めちゃくちゃ楽しい観劇でした好き。何も考えず楽しむ!これがタカラヅカなのです。

通路側席は本当にラッキーです好き。目の前で観るタカラジェンヌの美しさったらありゃしない。ハイタッチした細い手や指はスベスベです(私、オッサン化してるにこっ)。つけまつげのボリューム感、お衣裳の縫い目まで見れましたよ目ハート。

 

 

 さて、お芝居の感想です。舞台幕開き、フランクフルト号のデッキに佇む紅ゆずる演じるカールが主題歌「鴎の歌」を歌います。この歌詞、メロディー、かなり昭和チックですがそんな古さを感じない切ない幕開きです。

 

 

 礼真琴の「Ein Prosit(アイン プロージット)」の掛け声で舞台は大階段。芝居で大階段が登場とは驚きです。105周年の幕開きにふさわしい華やかな場面です。ドイツの民族衣装をアレンジした舞台衣装も素敵でした。大階段のスリートップ、紅ゆずる、礼真琴、七海ひろきの階段下りは圧巻のかっこ良さハート。

 

 

 マルギット役の綺咲 愛里。とにかく可愛い!!高雄公演では、綺咲 愛里のグッズがいち早く完売だったとか。トップや2番手男役より先にグッズ完売とは!日本じゃあり得ない現象です。台湾人も魅了したあ~ちゃん。顔も声も全部可愛い。

 

 

 この場面、好きハート。口の悪いカールの喋り方、ワルの様だけど、実は悲しさを持った陰のある人かもしれない…。紅さんのカールのちょっとした表情や喋り方にカールの人生そのものが垣間見れます。水夫と名家のお嬢様の恋の末路が分かるだけに、すでに悲しくなってきます。カールを見てると余計に辛くなる。

 

 

 湖畔のホテルで迎える朝

 

 

 シュラック家でカールをお披露目する場面。マルギットは、無邪気過ぎるのか?そおれとも世間知らずなのか?余りにも純粋すぎて、その純粋さがカールを傷つけたり恥をかかすことにもなっている・・・。

船乗りカール、黒燕尾が似合いすぎ!かっこえ~。

 

 

 2番手男役礼真琴は、マルギットの婚約者フロリアン。1回目よりも2回目の観劇で彼の魅力に堕ちてしまった。フロリアンのマルギットへの深い愛、ただただ、愛する人の幸せを願い、そのためならどんな労力をも惜しまない人。フロリアンが「兄として言うよ・・・」と、語った言葉。包み込むような大きな愛に胸が打たれます。おまけに、育ちが良い、品がある、顔が良い、性格良い、声が良い、ピアノ男子でダンスも上手い。完璧すぎるフロリアンにこっ。マルギットに「兄として言うよ…」で語り始めたあのセリフ。包み込むような大いなる愛でした。惚れ惚れですハート。

台湾公演の礼真琴、それほど好きじゃなかったんです。キャピキャピしてる感じで・・・。私は、ちょっと落ち着きのある雰囲気の人が好きなのです。でも、今回の礼真琴は、めちゃくちゃ良かったハート。

芝居の中で「病葉(わくらば)の恋」という歌を歌うのですが、めちゃくちゃ切なくて心に残る歌でした。マルギットの妹シュザンヌとのやり取り(シュザンヌはフロリアンを愛している)、「僕はいつか誰かを愛すかもしれない」のセリフは切々と心に響きました。

 

 

 カールのお披露目、そして、マルギットへの愛ゆえの別れの選択。しかも、一番マルギットが傷つく言葉を浴びせかけ、札束でマルギットを叩きながら罵る。こうすれば、マルギットが自分を憎み、別れを後悔しないことをカールは知っているのです。そのやり方は、カール自身をも傷つける残酷な方法でした。だからこそ、悲しくて、切ないのです。けれど、そうしなければ、たとえ二人が純愛を貫き結ばれたとしても、いつかは壊れる愛だということ、交わることがない世界に住む二人だということをカールは知っているのです。

 

 

 3番手男役七海ひろきは水夫トピアス役。そして、この作品で退団です。台湾公演『東離劍遊』の殤不患が当たり役だっただけにとても残念です。今回、出番が少なかったけど、川面に石を投げる場面の男前度は半端なかったな~。最後に舞台から姿を消す場面は、さっそうとして爽やかでした。今後の人生に幸あれと願います。

 

 

 酒場の女将ヴェロニカを、マルギットだと思い切々と心の想いを語るカール。膝を貸してくれのあとの号泣には、観ている私も涙です。客席からのすすり泣く声も聞こえます。愛する人の幸せを願い、身を引くという愛の形を選んだカール。「愛があれば、二人は手に手を取り幸せになれる。どんな苦労をしても愛さえあれば…」そんなおとぎ話もあるのかもしれない。でも、カールは一番良く分かっているんです。誰がどうすればよいのかを…。愛する人の幸せのために自分を傷つけ、自分が犠牲になった・・・。紅さん演じるカールが涙で滲んで見えなくなりました。

 

 

 芝居の最後は、幕開きと同じ場面、そして同じく「鴎の歌」を歌います。でも、全然違うんです。カールの切なさや、交わることのない二人の恋の悲しさが切々と伝わってきます。

 

 『霧深きエルベのほとり』は、何度も観たくなる大人の切ない純愛物語でした。紅ゆずるの代表作、そう思える素晴らしい作品でした。

 

 カールとは、ドイツ語で「自由なもの」、マルギットは「真珠」を意味すると紹介された方の記事を読みました。カールにとってマルギットは永遠の真珠なのですね。

 

 

 カールが歌う「鴎の歌」の歌詞を載せておきます。「エルベ河」「霧」、この言葉が情緒豊かに切なさを盛り上げてくれます。

「鴎の歌」

作詞 菊田一夫

鴎よ 翼にのせてゆけ
我が心の吐息を……

遠きふるさとの
エルベの流れ
霧は深く溜息のごと
岸辺によせる 小波は
別れし人の睫毛にも似て
いつもふるえる

鴎よ つたえてよ
我が心いまも 君を愛す
鴎よ つたえてよ
我が心いまも 君を愛す

 

 

お芝居の後は、30分の幕間

 

 

 

スーパー・レビュー

『ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~』

作・演出/中村 暁

スペイン語で星々を意味するエストレージャス。人々の心に輝きを届ける満天の星々を星組生にたとえ、“誰もが星のように光を与えることができる”というテーマのもと、星組のエストレージャスたちが、生き生きとした歌声や躍動感溢れるダンスをお届けする作品。爽やかな高揚感を放つレビューにご期待ください。(宝塚歌劇団公式サイト)

 

1月の観劇お席より

 
 
2月は25列目だけど通路!客席下りしてきた七海ひろき、音波みのりとハイタッチキャッキャッ
七海さんが近くに来るとは思ってもいなかったので、めちゃくちゃ驚きでした。「殤不患や~ハート」と思いながら握手してもらいました。その手の感触はとっても優しくて忘れられない思い出になりました。

 

 

 幕開きの紅さん、本当にかっこ良かった~ハート。 

全体の感想としては、歌・ダンスともどの場面も、こける場面がなかったです。例えていうなら、この人、人気あるけど歌がね…とか、もうちょっと踊れたらね…っていう人がいないんです。みんなそこそこの実力。星組、レベル高いなと感激です。ただ、台湾公演で見せつけた異常なまでのテンションの高まり、ガンガン飛んでくるパワー、高く上がる脚、そのハイレベルさが、台湾公演前の星組に戻っていたのは少々残念。

 

 

 プロローグの主題歌は、かっこ良くってテンポ良いのですが、その後は、J-POPオンパレードで少々残念。宝塚には座付の作詞かも多いです。ショーの中からたくさんの名曲も生まれています。それ故に余計に残念です。そんな中でも、七海さんが flumpoolの「星に願いを」を歌う場面「行かなくちゃ 桜の花びらが夜に散ってしまう前に…」の部分は、退団とオーバーラップした歌詞に涙が出そうでした。

 

 

 照明も全体的に暗かったな~。 

 

 

 このショーでは、礼真琴の実力の凄さを思い知らされました。礼真琴、2009年初舞台。今年で研10か。歌も芝居もダンスも上手い!あとは、学年を重ねた成熟した男役の色気が出れば完璧!最も期待される2番手だと思います。将来の星組も楽しみです。

 

 

大階段

男役スリートップのダンディズムさに圧巻、これこそ男役の美学

この後の黒燕尾の男役階段下りは、見ごたえありました。今、一番黒燕尾が似合う組は星組?それとも花組?葉加瀬太郎の「情熱大陸」に合わせたダンスは最高にカッコ良かった。スカッとします。

 

 

 MISIAの「逢いたくていま」にのって踊る珠玉のデュエットダンスは、これぞ宝塚!夢の世界です。この歌詞、切なすぎる。その切なさと紅さんが綺咲愛里を見つめる笑顔が涙出そうに感動を呼ぶ。とても素敵なトップコンビです。

 

 

これが宝塚の美しさなんです!

 

 

フィナーレの大階段下りと、銀橋パレード。本拠地宝塚大劇場で観てこそ宝塚の醍醐味がバンバン伝わってくるのです。

 

 

あ~、豪華絢爛、キラキラ眩しい夢の世界ですキラキラ

 

 

 ノリの良さ、迫力、盛り上がりは前作、紅色を基調にした『Killer Rouge/星秀☆煌紅』の方に軍配が上がります。けれど、今回の白とブルー(藍色)もとても綺麗でした。星組の皆さん、芝らしいショーをありがとうございます。

 

 宝塚のある我が人生、本当に幸せですういんく

 

 

この作品の舞台写真は宝塚歌劇団公式サイト、FBよりお借りしました。公式サイト⇒こちら

 

 

宝塚スカイステージには初日の映像が。こちらです。

 

 2月2日11時公演は、月組の美弥るりかさんが観劇されてました。退団する七海さんとは2003年4月「花の宝塚風土記」で初舞台を踏んだ同期生です。先日、退団発表された美弥さんが、同期七海さんを送る。感慨深いです。美弥さん、涙・涙で観劇されていたそうです。散るも花、これがタカラヅカの伝統と美学です。

 

 

 宝塚大劇場での公演は2月4日(月)が千秋楽。東京公演は2月15日(金)~3月24日(日)。もちろん完売です。ここ数年、本当にチケットが取りづらくなった宝塚。それでも、少しでも多くの方に宝塚の良さを観て、感じて欲しいと思います。機会があればぜひ、宝塚大劇場、東京宝塚劇場へ足をお運びください。ここだけの話、東京より、本拠地宝塚で観る方が絶対おすすめ!大劇場周辺の街そのものがタカラヅカなのですから!

 

 次回は、3月に花組を観ます。ノリに乗った明日海りお率いる花組。こちらも楽しみです。では、また!

 

 

ドイツ おまけ1 ドイツ

お芝居の中国語解説チラシを発見!しかも嬉しい繁体字!これで台湾からお客様が来ても物語の大筋が分かりますね。文章は誤字も文法間違いもない完璧なものだそうです。台湾のお客様には便利ですね。そして日本人の私にとっては、中文勉強の教材になります。宝塚を通した日台の友好関係が深まれば、こんな嬉しいことはありません。

 
 

よつばのクローバー おまけ2 よつばのクローバー

数年ぶりに観劇を一緒にした友人とのランチはお喋りも弾みますぐふ

大劇場近くのアジアンカフェで楽しい時間を過ごしました。

隠れ家みたいな素敵なお店「まほら」は花のみちセルカ2番館3Fです。

ヘルシーサラダと黒米ごはん

 

 

白玉と緑豆あんのチェー、蕎麦茶

 
楽しい星組観劇でしたういんく