花組公演『新源氏物語』 『Melodia -熱く美しき旋律-』を観てきました | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

 ある秋の張れた休日、宝塚大劇場で11月9日まで公演中の宝塚歌劇団花組公演花宝塚グランド・ロマン『新源氏物語』-田辺聖子作「新源氏物語」より-と、グランド・ショー『Melodia -熱く美しき旋律-』を観てきました。一緒に観たのはいつものSお姉さんです

 まずは、余りにもお天気が良いので、宝塚大劇場周辺を散策しました。というか電車好きの我的台湾男朋友小沐のためにこの画像を撮るのが目的の散策です。
これ↓ 

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武庫川に架かる宝塚大橋から 宝塚歌劇団のお稽古場を背景に阪急電車今津線を撮ってみました。秋空がとてもきれい~青空
 

 宝塚大橋は全国でも珍しい橋上公園で、四季折々の彫刻花壇やベンチ、噴水があります。そして、このようなパブリックアートもたくさんあるのです。
宝塚大橋 その中のひとつで、もっとも有名なのが、この「愛の手」と呼ばれるブロンズ像。彫刻家・新谷琇紀(1937~2006年、神戸市生まれ)によるもので、大橋の左右に舞踊しているような裸婦像が手の上に置かれています。この彫刻が設置された時、「女性(裸婦像)が男性の手のひらで弄ばれているのではないか」という声が上がったそうです。なるほど…とも思いながら、また大空に舞い踊る女性が宝塚らしいとも思いながら私はこの像の前を歩いています。街のいたるところにこのような芸術が溢れる宝塚、私はこの街が好きですね。


 こちらは、阿信も訪れた手塚治虫記念館。詳しくは阿信『浪漫的逃亡』P104~111をご覧ください。この前を通るたびに嬉しくなります。阿信も訪れた手塚治虫記念館

 

ほらね
 

嬉しい~
 


さて、本題に戻りましょう。
こちらは劇場入り口にあるポスター。現在公演中の花組はじめ、来年2月までの公演ポスターが掲示されてます。
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 公演のチラシもたくさん並べられています。一番気になるのは、来年2月に上演される雪組『るろうに剣心。かなりのチケット難が予想されます。がんばろーーっ!!
これからの公演 


 今回観たのは、この作品。この夏、第二回台湾公演中華民国を大成功に導いた明日海りお率いる花組花です。チケットはすべて完売。今一番人気の組です。
新源氏物語 

『源氏物語』、美しい王朝絵巻が舞台で繰り広げられます。プログラムもとても綺麗。
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宝塚グランド・ロマン『新源氏物語』-田辺聖子作「新源氏物語」より-詳細は、公式サイトをご覧ください。人物相関図、舞台写真などとても参考になります。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/genji/index.html


 幕開きは、いきなりの大階段。しかもお雛飾りを思わせる赤い毛氈仕様。豪華絢爛、目が覚める艶やかさです。宝塚ならではの本当に雅な世界が広がります。思わず「うわ~っ」と声が出ました。外国の人に見て欲しい美しい瞬間です。舞台中央に光源氏役の明日海りお(愛称:みりお)、そして言辞を取り巻く多くの女人が大階段で歌い舞います。
新源氏物語 左)光源氏(明日海りお)、右)光源氏にとって永遠の女人藤壺の女御:花之まりあ。とにかく綺麗~。溜息出るくらい綺麗なんです。源氏の腹心、惟光(これみつ)役:芹香斗亜(せりかとあ)の歌う「恋の曼陀羅」がまた素敵です。宝塚の王朝絵巻、主題歌の歌詞も心に響く美しい日本語の世界が広がります。
※「豪華絢爛」って何??って思われる方、ぜひ宝塚の舞台をご覧ください。宝塚こそ豪華絢爛そのものなのです。

こちらは主題歌『恋の曼荼羅』 です。
『恋の曼荼羅』 
作詞;田辺聖、柴田侑宏 作曲;寺田瀧雄
夢 さまざまの恋を知り
夢 粉々に傷ついた
ただひとときは与えられ
やがて間もなく奪われる
恋も命も うたかたの
めぐる月日に埋もれて
恋の曼荼羅 五十四帖
恋の抜け殻 五十四帖

恋する人は黙りがち
罪ある人はよく笑う
ともに笑うは 恋のはじまり
言い訳逃れは 恋の終わり
嘘もまことも たまゆらの
恋に身を焼く 哀しさよ
恋の残酷 五十四帖
恋のあやまち 五十四帖

この曲、この作品をめちゃくちゃ盛り上げてくれます。この曲と共に観客の感情も高ぶります。作詞、作曲された先生方は、宝塚を代表する素晴らしい方々。宝塚至宝の名曲を数々手掛けられた方々です。(田辺聖子さんは「新源氏物語」の作者として作詞に参加です)

初日の様子、ご覧ください。 によって平安時代に成立した世界最古の長編物語のひとつである「源氏物語」。 華麗な平安の宮廷を背景に、帝の第二皇子として生まれた美麗貴族、光源氏が数奇な運命に翻弄される人生模様や、様々な女人との愛と苦悩を緻密に描いた物語です。「源氏物語」を詳しく知りたい方はこちらへどうぞ ⇒ ⇒http://genji.choice8989.info/

 
 舞台を見ながら、1989年に剣幸 (つるぎみゆき)で上演された「新源氏物語」や2000年に愛華みれで上演された「あさきゆめみし」など、今まで観た宝塚版「源氏物語」の色々な場面がよぎりりました。大階段の演出は「あさきゆめみし」でありましたね。

 印象に残る場面としては。光源氏藤壺の女御との禁断の逢瀬…。1989年バージョンでは、御簾の奥での秘めた契の場面がとても色っぽく、見る側をドキドキさせました 。今回は御簾を勢いよく開けての抑えきれない荒々しい場面でした。これも素敵。アドレナリンが、バァーーっと増えましたわ。おまけに光源氏(みりお)藤壺の女御(花乃)を押し倒した状態でのセリ下がり。これは、キターーーーッって感じですね。

 藤壺の女御に男子誕生…、つまりあの禁じられた契りゆえに生まれた光源氏の子供ですよね。けれど、藤壺の女御は、光源氏の父である桐壷帝の妃。みなさん、この関係分かりますよね。我が子と疑わぬ桐壷帝が「そなたの弟宮だ」と光源氏に対面させる場面、ここは実の父光源氏が我が子と対面する場面でもあるのです。この場面、観ていてもハラハラします。喜びと恐怖、一生罪を背負い秘めて生きてゆかねばならない苦悩、そんな思いが光源氏藤壺の女御の少ない言葉、表情、所作から伝わります。この場面、光源氏のインパクトは弱かったです。こんな場面を演らせたら素晴らしく上手い剣幸(つるぎみゆき)バージョンを観てるのでみりおには申し訳ないです。ただ、藤壺の女御(花乃)は、素晴らしかったです。私、彼女の芝居、かなり好きです。この場面の桐壷帝は、汝鳥 伶。淡々と、そうひたすら淡々と演じてました。ちょっとびっくりですが…、さすがいぶし銀の汝鳥 伶。最後の最後にやってくれました。さすがです。(これは後ほど)
源氏物語 左)桐壷帝(汝鳥 伶)、中央)光源氏(明日海りお)、右)藤壺の女御(花乃まりあ)


 頭中将瀬戸かずや、ちょっと物足りなかったです。こちらも1989年に演じた桐さと実バージョンが強烈に印象に残ってるからでしょう。

 六条御息所の柚香 光(ゆずかれい)、とても綺麗です。六条御息所の儚さ、哀れさを感じます。そして生霊としての迫力が、なおさら哀れなのです。良かったわ~。でも、課題は歌ですよね…。加油~

 花組で外せないのは、タンバリン芸人こと天真みちる(愛称:タソ)です。今回は、右大臣役。出てきた瞬間、「寝てるんかい?」という爆笑もんの演技です。一言しゃべるとまた笑える。ちょっと動くだけでもまたおかしい。タソ、凄いわ~。タソの存在は、花組のみならず宝塚の宝です。これからも長く頑張って欲しいです。花組次回作は、なんと「ミーマイ」ことロンドンミュージカル「ミー・アンド・マイガール (Me And My Girl)」タソにはお屋敷の弁護士をお願いしたいです!!

 須磨の場面、明石の入道との場面を経てからの、みりおは、さらに芝居が上手くなりました。光源氏の息子:夕霧(鳳月 杏:ほうづき あん、頭の中将の息子:柏木(柚香 光:ゆずかれい←六条御息所と二役)も良かったです。夕霧は、1989年に演じた涼風真世(愛称:かなめ)には敵わないのですが…、とくにかなめちゃんが女三宮の「もとへ行く柏木を止めようとする力ある場面や「柏木ーーー」と叫ぶ場面は今でも鮮やかに覚えています。柏木は、1989年の天海祐希より柚香 光のほうが芝居もうまいし美しいです。何度もいいますが、柚香 光(ゆずかれい)の問題は、歌なのよね、歌…。
新源氏物語 美しい平安王朝絵巻は本当に美しいです。

 最後の場面、女三宮に男子誕生…。まさに人生は巡り巡るもの。光源氏の二番目の正妻である女三宮が生んだのは光源氏の子ではなく、柏木との間に生まれた子…。全てを知った光源氏、このみりおは凄く良かったです。そして、桐壷帝との回想シーン。初めて我が子と対面した場面が幻想のように浮かびます。雷鳴とどろく舞台の中で光源氏は言います。「あなたは何もかもご存知だったのですね。何もかも知っておきながら永久に胸にしまわれ逝ってしまわれたのですね。そしてあなたは私を決て私を許さなかった」このセリフ回し、最高です。そして舞台上で怒りと憎しみの表情で静かに笑う桐壷帝。そう、何もかも知っていたのです。うわ~~っ!!と手に汗握る思いで観てました。舞台と共に客席の感情も高まります。これこそまさに観劇の醍醐味です。

 すべてを背負い生きてゆく決心をした光源氏、「宮中へ参るぞ」と背を向けて歩くシーンが素晴らしいです。男役は背中で魅せる」といいます。「見せる」ではなく「魅せる」なのです。後ろ姿で男の色気を現せてこそ、男役といえるのです。素晴らしい後ろ姿です。明日海りお、素晴らしい成長だとおもいます。今まさに充実期を迎えたみりお、素晴らしい舞台をありがとう!!

 宝塚グランド・ロマン『新源氏物語』-田辺聖子作「新源氏物語」より-、宝塚ならではの豪華絢爛な舞台です。白檀の香りが客席に届きそうな錯覚になるほど美しいのです。衣装は勿論の事、小道具、大道具に至るすべてのものが平安王朝の雅な世界へいざなってくれます。大劇場公演は、11月9日までです。東京宝塚劇場(有楽町)では2015年11月27日(金) - 12月27日(日)まで公演ですがチケットは完売。当日券は早朝から長蛇の列で入手するには気合と根性が必要です。でも、何とか多くの方に観て頂きたい作品です。良かったらぜひご覧ください。

※1989年版の「新源氏物語」はYoutubeで全編見れます。「新源氏物語 月組1989年」で検索すると良いかと。ここの貼り付けようと思ったのですが出来ない仕組みになってました。残念!


さて、お芝居の後はグランド・ショー『Melodia -熱く美しき旋律-』です。
グランド・レビュー『Melodia -熱く美しき旋律-』
作・演出/中村 一徳

メロディア-熱くそして美しいメロディと心躍らせるリズムで奏でる数々の音楽。愛、夢、希望、情熱、哀愁、身体に漲る限りない思いと果てしないエネルギーを熱く美しい旋律に。
華やかで若さ溢れる明日海りお率いる花組の魅力を、躍動的な歌と踊りで綴るレビュー。(公式HPより)


あ~、宝塚のショー、こちらもまさに豪華絢爛です。主題歌「Melodia」は軽快で覚えやすい歌。フィナーレでは口ずさめます。
 
 プロローグ、テンポよくたくさんの生徒が歌います。銀橋に繰り出すトップスター明日海りおはじめ、主要メンバーから、次世代、次々世代を担う生徒も登場。宝塚の未来を背負う男役たちがたくさん登場です。娘役トップの花乃まりあ、口元が個性的です。綾瀬はるかに似てると言われてますが、確かに似てる。歌もうまいです。

  これは第4章「スペイン 熱き旋律」の場面。
メロディア スパニュシュの場面は、振り、衣装とも素敵です。勢いがありパワフル!!。銀橋にスターが並ぶ、これも宝塚の醍醐味です。
 私、結構柚香 光(ゆずかれい)が好きですね。ダンスが上手い!!今回は、カッコいいダンスをたくさん見せてくれました。女役に扮する鳳月 杏(ほうづき あん)との場面は、単にセクシーというよりは、火花散るようで見応えがあります。

フィナーレ、下級生たちのラインダンス、凄く不思議な振り付けでした。側転や、テクニックを要求するシーンが多いです。でも、みんな凄く足が上がってる。この花組が台湾公演で素晴らしいラインダンスを見せてくれたのですね。高度なラインダンスを見ると、台湾の皆さんが喜んで暮れた様子が目に浮かびます。花組のみんな、ありがとう~ 

 今回のファイナーレ、どうやら黒燕尾で大階段に並ぶ男役たちが大きな見せ場のようですが…。どうも音楽と黒燕尾のイメージが合ってない気がします。別に黒燕尾でなくてもいいような場面でした。振りも…、細かいところがバラバラで残念。手を挙げた時、足の微妙な動きやポーズにズレというか統率がとれてないのです。黒燕尾で魅せてくれる群舞の洗練された美しさに欠けてた気がします。まぁ、研1(101期生)に至るまで全ての男役が出演してたから仕方ないか。男役10年ですからね。大浦みずきさんの黒燕尾を知っている世代なので、黒燕尾に対してはキビシイです。

 黒燕尾の後、芹香斗亜(せりかとあ)が歌います。しかし、息切れ。

このブルーの衣装が似合うトップ、朝海ひかる(愛称:コムちゃん)以来かと。嬉しいですね~。
 メロディア トップコンビのデュエットダンス、ううううっ、リフトの場面は痛かった。リフトに見えず、モゾモゾ何してるの??って思ってたら、プチリフトしてました。強烈なインパクトのリフト、見せて欲しいです。
 
 ショーはあっという間に終わります。大階段が降りて来た時には「ええっ?もうラスト?」って感じです。それくらい退屈な場面がありませんでした。凄く起伏の激しい場面展開というわけではなく、中村一徳先生らしい淡々とした展開でした。
 
 花組公演、お芝居もショーも本当に楽しいです。大階段下りでは、花組男役の揃ったメンツに男役の豊富さを感じます。タソは、何処にいてもすぐわかります。その真剣さがまた面白くて、人柄の良さを感じます。いつまでもタソらしさでタソにしかできない舞台を見せて欲しいです。とにかく、長く存在して欲しい生徒の一人です。

 101周年を迎えた宝塚歌劇。その客層に変化があります。10年くらい前までは、宝塚好きな人、リピーターなど常連さんが多く見られました。でも今は、常連さん以外の一般のお客さんが多くなりました。男性客も多いですし、外国からのお客様の姿も毎回見かけます。台湾や中国、韓国からのお客様が多いのですが、その中に欧米からのお客様が混じっているのも嬉しいです。劇場案内には英語表記は勿論、簡体字表記やハングル表記もあります。台湾公演を成功させたのだからぜひ繁体字表記もお願いしたいですね。

 さて、観劇の後は、いつもの「熟女の会」です提灯。久しぶりに飲むぞ~日本酒。では、「熟女の会」はまたの機会に…ビール