吉田 修一著「路(ルウ)」読みました | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
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吉田 修一著『路(ルウ)』読みました。2012年文藝春秋から発行されました。ご近所にる我が街の図書館で借りて来ました。
 吉田修一さんの本、初めて読みました。お名前は存じてました。JAL機内誌『翼の王国』に短編小説やエッセイを書かれており、その文面から伝わる情景に、世界への憧れを掻き立てられました。読んだ後も、断片的にその光景が頭から離れないのです。いつか読んでみたい作者のひとりでした。
 今回、この本を読むきっかけになったのは、図書館の検索機能で「台湾」と入力し、数多くのガイドブックやエッセイの中から見つけ出したのです。「吉田修一」の名前にドキッとし、早速借りて来ました。それにね、「我が街の図書館にある台湾関係本を読み尽くす!!」というのが、密かな私の目論見でもあるんです。まずは、吉田修一さんを紹介しますね

吉田修一(データBOOK参照)
1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらう。2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞した。他に『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』『元職員』『横道世之介』など著書多数。

sei『路(ルウ)』あらすじseiアマゾン2アマゾンより抜粋)
 1999年、台湾に日本の新幹線が走ることになり、入社4年目の商社員、多田春香は現地への出向が決まった。春香には忘れられない思い出があった。台湾を旅した学生時代、よく知らないまま一日を一緒に過ごした青年がいた。連絡先をなくし、それ以後ずっと会えないままだった……。台湾と日本の仕事のやり方の違いに翻弄される日本人商社員、車輛工場の建設をグアバ畑の中から眺めていた台湾人学生、台湾で生まれ育ち終戦後に日本に帰ってきた日本人老人、そして日本に留学し建築士として日本で働く台湾人青年。
 それぞれをめぐる深いドラマがあり、それらが台湾新幹線の着工から開業までの大きなプロジェクトに絡んでいきます。政治では問題を抱えていても、日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、台湾の風土とともに色鮮やかに描く『路(ルウ)』。大きな感動を呼ぶ、吉田修一さんの渾身の力作です。

 物語の詳細は、文藝春秋の公式サイトをご覧ください。http://hon.bunshun.jp/sp/lu
ページを開けると、まず最初に、「台湾の土地と人に魅せられて、十数年が経ちます『路』という作品は、そんな台湾へのラブレターかもしれない」という吉田さんご自身のメッセージがあります。台湾を愛する吉田さんだからこそ、この作品が描かれたのではないかと思います。「物語について」「登場人物について」をクリックすると更に詳しく説明されています。台湾が好き、鉄道が好きという方に限らず、多くの方に読んで頂きたいです。台湾という国のこと、台湾の人々の日常や、ものの考え方も垣間見れます。台湾新幹線開業という現代が舞台だけでなく、日本統治時代、台湾で生まれた「湾生」と呼ばれる人々の当時の様子も描かれ、時の轅を経て現代へ繋がっています。歴史は生きている、そして、現代(いま)に繋がっている。その中で私たちはもがきながらも懸命に生きているのだと感じました。
 この『路(ルウ)』、447ページにも及ぶ作品ですが、ほぼ一気に読みました。ハードカバーの表紙からくるちょっと不気味な(私の第一印象です)と本の内容は全く異なりました。気が付けば夜中過ぎ。翌日の仕事を考えると無謀だと思いつつ、やめられませんでした。すれ違いの恋の行方は?その恋とは直接の関係はないけれど、登場人物が関わる台湾を舞台にした人間模様・・・、本当に面白い本です。読書の醍醐味を感じます。この本を読んだ後に乗る台湾新幹線も楽しくなりそうです。台湾、また行きたくなりました。今度は、台湾新幹線でどこへ行きましょうか??