至福の時 | IN VINO VERITAS

IN VINO VERITAS

とあるヴァイオリン弾きの日々雑感

ひとまず、無事終了したことにほっとしています。

 
音楽は不要不急なのか。
そもそも趣味は不要不急なのか…。
 
一時期よりは緩和されたとはいえ、大人数が一堂に会して長時間活動する…という最も緊迫した状況をどう考えるか。
それでも音楽を求めている人たちの心をどう受け止めるか。
 
一介の市民オケとして、当団始まって以来の大きな壁を前に苦渋の決断を迫られました。
 
春、夏の公演は全て中止。
活動自体が休止。
 
そんな中、各施設のガイドラインが整い、それに沿った形での活動は許可されるようになったのは、大きな一歩でした。
 
最終的には予定していた曲を一部変更して、オーケストラとしては小編成のものを、通常とは異なる(かなり厳しい)制約の中どうにか開催まで漕ぎ着けた…という感じでしたので、終わった瞬間の感慨も、いつもとは少し違う涙の混ざったものになりました。
 
万全を期しての開催…という点では、足をお運びくださったお客様にご不便ご面倒ををおかけしたことも多かったと思います。
それでも、あたたかい拍手で迎えてくださった皆さまには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 
演奏は…
 
伊藤悠貴さんの艶やかで深い歌心は圧巻でした。
そんな至福の瞬間を共有できた喜びを、今はただ静かに噛み締めています。
 
曲目を変更して、短時間で仕上げなければならなかったチャイコのシンフォニー(2番)も、最後は報われたかな…。
なんせ普段の練習では常にマスク着用で臨んでいましたので、苦しい苦しい、、
本番は弦楽器奏者も(舞台上のみ、演奏時は)外してもよいことになったので、若干の解放感と共に、気持ちも出し切れたかな…と。
 
まあ、振り返れば語り尽くせない思い出がたくさんあるのですが。
今まで当たり前と思っていたことを当たり前にすることがどんなに大変で尊いことなのか…あらためて思い知らされた気がします。
今此処で演奏できる喜びは、何物にも代え難い宝物です。
 
まずは、このコロナ禍で、一つのイベントの開催が実現できたこと、ご尽力くださった多くの方々に感謝したいと思います。
 
ありがとうございました。