A terra | IN VINO VERITAS

IN VINO VERITAS

とあるヴァイオリン弾きの日々雑感

もう何十年も一緒に暮らす家族の語らいのように始まったWave…

素朴であたたかいフルートがゆっくりと語りかけてくる。

それだけで、今日はいい時間が過ごせると確信した。

天から降ってきた魂が乗り移ったかのようなフルートソロ。
丁寧に紡がれた低音。

ジスモンチのパリャーソ、お馴染みのカイピラの汽車、善郎さんの大地…

渾身の一音が生み出す力が、心地よい倍音となって広がった。

音には匂いがある。

時にそれは土の匂いだったり、木々の葉を揺らす風の匂いだったり…
お日さまの匂い、コーヒーのアロマ、浜辺を渡る潮風、振り返った女性の髪…

時折香るマッカラン。

週末を彩る素朴で贅沢な楽しみは、まだまだ続く。