プロレスのことで頭が一杯になったぼくはよく父からプロレスの話を聞きました。
僕がまだ小さい頃、父はお風呂の中や、僕を寝かしつけてくれる時など様々な場面で話してくれました。
僕にとって父から聞くプロレスの話はどんな昔話や童話よりも好きで、事あるごとに質問もしました。
父の話の中によく登場したのは、アメリカやメキシコ、ドイツでの経験やら、猪木さんカールゴッチさんでした。
父にとって海外での経験はとても大きなものであり、最高の思い出です。僕は小さな頃、そんな父の話を聞き、プロレスラーに憧れを持ち、自分もいつかそうなる事を望んでいました。
そして、去年僕は初めてプロレスラーになるという明確な目標を持ち、イギリスに1人で行きました。イギリスにCatch as catch canを学ぶ為です。
父が海外、そしてカールゴッチさんから学んだ技術がそこには沢山ありました。
イギリスの人々は皆、体が大きくジムに入った時、初めて味わう緊張感が僕の体を支配していたように感じました。
スピード、体力、体幹、体重、技術、体格のどの部分をとっても僕は勝てませんでした。
レスリングキャリアのスタートをイギリスで切った僕に対して、コーチのロイ•ウッドは大切な言葉を贈ってくれました。
「君は他の人より体は小さいかもしれない。しかし、君は他の人より冷静に物事を判断し、より速く動き、確かな技術を持ち、コンディションをフィットに保つ事で、君より大きな相手にも勝つ事が出来る。」
この言葉は僕にとって大切な言葉です。ここで出てくる「フィット」ということばは、イギリスWigan地域の人々が好んで使うことばで、意味的にフィジカル面のあらゆる要素を含んだ「strong」に近いものがあります。
そして、何より何故自分がCatch as catch canを学ぶべきなのかという問いへの答えが、ロイからのことばで、見つかった様な気がしました。
父と同じ様に、僕も海外での経験がとても大きなポイントとなり、これからの糧になりました。
海外はいつもとは違った刺激を得るチャンスを与えてくれる場所です。僕にとってもイギリス、Wiganはレスリングキャリアの原点です。
これから先もWiganを大切にしていきたいと思います。
そして、常にロイからのことばを胸に留めて戦っていけたらと思います。