君の猫っ毛に煙草の煙が絡まって


なんか懐かしいその匂いを


抱きしめていたい午後の窓辺


シャボン玉に映った街


カーテンとレースの隙間


意地悪な君の笑顔がズルくて


ほっぺたをつねりたくなる


たぶん、宇宙くらい大好き


こんなふうに過ぎていく日々が


できるだけ長く続きます様に


宇宙ってどれぐらい大きいんだろう


狭いワンルームの片隅で


君に殺される夢を見る


眠たい映画は添い寝の口実


好きと嫌いの用法用量


偽物たちが歌う憂鬱


誠実な愛を汚す背徳


君が消えてしまう気がして


ぎゅっと抱きしめてみたものの


そこにあるのは当たり前の日常で


続きの気にならない


どうでもいい人生だった


何かになりたかった様な


だけど何のもなれない様な


小さな宇宙の物語


回路の上に咲いた宇宙は


計測不能な膨大さで


たった一言で何億光年先へ


歩みを進めていく


たぶん、宇宙くらい大好き


宇宙の広さはしらないけれど


たぶん、宇宙くらい大好き


たぶん


きっとこれでいい