夜中に騒ぎ出す悪童たちも


朝には大砲の音で目を覚ます


戦争の始まる日も


ゲームで人を殺していた


くだらない動画を見て


無為に時間を過ごしていた


忙しいふりをして


騒がしい夜の淵で


私は耳を塞いで


何年前に完結した漫画を読んでいた


自分が若くなったわけでもないのに


そんなような気分になった


煙たがられた顔が浮かんで


死にたくなったりした


まだあの時は自分だけの自分だった


今はもう


私は誰かのものだった


誰かはわからない


ただ得体の知れないものに


所有されている感覚は確かだった


この自由の檻の中で


精神だけには翼があった


置き去りになった体で


私はこの鉄格子を壊せるのだろうか


住み心地の良い独房は


もう自分の匂いが染み付いていて


束の間の眠りにも


些かな幸せがあって


結局また毎日が続く


ダメだなって思っても


なるようにしかならないのなら


苦しくなっても


仕方ないけれど