楽しい楽しい卒業旅行が終わると、もう本当に卒業式を残すのみとなった。
4年間借りたアパートは、卒業式よりも随分前に引き払い、家ナシ子になっていた。
でも、広島に早々に帰っていてもつまんないので、3月は福岡の友人の家を転々とした。
まぁでも毎晩飲み歩くようなお金はないので、ほとんどは、
卒業ギリギリまで家を借りている友人A宅で、
卒業旅行に行った面々でマリオカート対戦の日々を送っていた。
暇でお金がないってのは、たまらんね。
いよいよ卒業式の前日、この大学生活のピリオドにふさわしく激しく飲もう!
という、
「後輩が誰も追い出しコンパを開いてくれないので自爆してやる」
飲み会を開いた。
そこには、なぜか社会人になっている先輩がいたり、
卒業が決まっていないダブり組が沢山いたのが面白かった。
まずは、行きつけ(2回目)の居酒屋で。
あらかじめ、断りを入れておいて、ビールを大瓶で8ダース頼んでおいた。
よいしょぉ!
始まった悪魔の飲み会。
卒業おめでとー
みんな片手に瓶ビール持って一気飲み。
これ、ジョッキよりも相当飲みづらいんすけど。
いやいや飲みやすさなんて問題じゃないのよ。
今日は行くとこまで行くのよ
飲んだ飲んだ
この1軒目で半数以上が撃沈した。
残った数名で、店をかえて夜中の11時に後輩を呼び出した。
そこから3時間ぐらい飲んで・・・、
足りねぇ!お前ん家行くぞ。
最後まで生き残った2人と後輩とタクシー乗って、
途中でコンビニ寄って、
4時ぐらいまで飲んだ・・・?
・・・ちゅんちゅん
「あたた・・・。頭痛って~」
「おい、E司、起きろ」
「あ、頭痛い・・・」
「やろ」
「ここどこ?」
「わからん・・・けど、多分こいつん家」
「あ、おはようございます」
「おー。なんでここにおるんかな?」
「僕が聞きたいです」
「あぁ、ごめんね(なんとなく謝った)」
「ところで2人とも卒業式じゃないんですか?」
「うそ?」
「いや、だって昨日『卒業祝えこのやろ~』って言ってましたよ」
「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~忘れとった~~~~~」
「しかも何時いま?・・・やってもーたー!」
「ちょ、ちょ、タクシー呼んでタクシー・・・」
・・・
「E司、電話して、みんなに」
「無理、電池切れとー」
「あいや~、おいらもやん」
「しょうがない。あいつらの家、行ってみよ」
・・・
ピンポーン。
ピンポーン・・・。
「やべ、もう行ったかも」
「おわ~」
・・・
「(死にそうな声で)・・・はい・・・」
!
おった!
「おー!!おはよー!みんなは?」
「寝とー・・・」
あはは、うける。
みんな卒業式始まっとるのに寝とーやん。
そいつの家から、福大の卒業式の会場まで歩いて1.5km。
割れそうに痛い頭をおさえながら、ゆっくりみんなで歩いた。
やっと着いたわ~。
あ~・・・、きっつー・・・。
どこ?卒業式どこ?
お、あの女子に聞いてみよ。
どこですか~?
「この中よ」
「さんきゅー」
遅刻や。入ろ、早よ入ろ。
・・・
学長が最後の挨拶しとるやんけ~・・・。
「君たち、静かに。あと5分で終わりますから」
「・・・」
これにて大学生活、完全終了。

ちなみにVol.24はここ から