さぁ、待ちに待った大学生活が始まった。
なんてったって一人暮らし。
おぉ~最高!
学校に通い始めてビックリした。
大学って、ヒトが多い。
※福大は西の日大と言われ、生徒数が2万人いる。
※ちなみに本当の日大の生徒数は10万人である。
しかも、いろんな格好したヒトがいる。
・・・一番衝撃を受けたスタイルは、
モヒカンで素っ裸のヒトが、股間にガムテープを貼って、
スケボーで横を通り過ぎていった時である。
その、20秒後にお巡りさんが横を全力疾走していった。
おぉ~、これぞモラトリアム。
そんな風景を見ながら、入学して1ヶ月は過ぎていった。
最初は新入生歓迎コンパ(どこが主催してんだろ?)みたいなのに、
自由参加して、ピクニックに出かけ、同学年と思われる知らないヒト達と
みんなで仲良く手を繋いでフォークダンスを踊ってみたり、
いろんなサークルの勧誘を受けて、知らない先輩に飲みに連れてかれたりしてみた。
ふと思ったのだが、
それって、
楽しいか(笑)?
GW前ぐらいになると、新歓(しんかん)コンパやサークルの勧誘がうっとおしくなって、
もっぱらT郎やI上と毎日毎日夕飯を一緒に食べていた。
T郎やI上は若干、料理に興味があるらしく、カレーやシチューに挑戦して、
毎日違う食べ物を食べさせてくれた。
おいらは、食材を提供するだけ。
しかも、3人とも酒がそこそこイケたので、近くのディスカウントストアで、
「鬼ごろし」的な安い酒を買って毎日飲んでいた。
芋焼酎に出会ったのは、大学3年ぐらいになってからである。
しかしそれも飽きてきた。
おいら以外の2人はそれぞれスポーツマンで、高校の時から野球やサッカーをやっていて、
クラブやサークルに所属する予定だと言っていた。
GW明けからは練習が始まるらしい。
そうか~、クラブか~・・・、おいらはやめとこ。
でも体は鍛えなきゃいけないよな~。
そう思って、体鍛えたい中毒のこの2人と毎晩走ることにした。
3~4km走って、公園で腕立て伏せやスクワット、ふくらはぎを太くする運動をする。
1日目に走って、
次の日にベッドから起き上がれなくなって、
早速学校に遅刻した。
アホか!やりすぎやっちゅーの。
性懲りも無く2日目も同じぐらい走って運動して、
次の日も遅刻した。
やばい、こいつらオカシイ・・・。
付き合いきれんわ。
そしてそれは3日目でやめた。
そうだ!
そもそも、大学に入るとまず最初にバイトをしようと思っていたのだ。
大学に入ってまでクラブなんてバカバカしい。
高校ですら帰宅部を貫き通したのに。
第一あんなに走ったら体が強くなる前に死んじまう。
コンビニでanを買ってきて家の近くの割烹料理屋さんで皿洗いのバイトを始めた。
これで、収入が増えてもっと遊べるわ。
一方、大学では新しい友人が出来ていた。
たまたま、学校の中庭にいた、ジャンレノ風のいい男に声をかけてみた。
「君、1年生?」
「え、あ、ハイそうですけど」
・・・
ふっふっふ、直感が当たったぜ。
初対面が全てを決めるからな。
ここで、「あの~・・・何年生の方ですか?」
なんて言おうもんなら、ちょっと向こうのポジション上げちまうからな。
なんて、あまり意味の無いことにあいかわらずこだわっていた。
・・・
「あっそー、おいらも1年。何学部?」
「なんや先輩かと思った。オレ工学部やけど」
「うっそ、おいらも。もしかして福岡人?」
「そうやけど」
「ラッキー。とりあえずさー、おいら田舎モンやから、福岡のこといろいろ教えてくれん?」
「よかよ」
と、ナンパみたいな出会いで友人をGETした。
実家暮らしだったそのMr.Jは、軽自動車を保有したブルジョアで、
本当に彼女のようにおいらをいろんなところに連れてってくれた。
唐津とか、芥屋(けや)とか、志賀島(しかのしま)とか。
Mr.Jは工学部建築工学科で、おいらは機械工学科だった。
学校では、機械工学科の友達も出来て一緒に遊んでいたけど、
正直、建築の奴らの方がキャラがたってて面白かったので、
学校が終わると建築のたまり場にどっぷり入り浸るようになっていた。
最初にそのたまり場に言った時に、E司というヤツに言われた。
「その頭マジ?」
「そのズボン、中止!」
「なんで原チャリにステッカー貼ってんの?」
と、次々ダメだしをされて、一気に自分のスタイルを変えられた。
いや、
変えて頂いた。
あのままのスタイルで社会人になったら、おいらは紫のスーツを着ていたかもしれない。
あぁ恐ろしい。
つづく。
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ちなみにVol.5はここ
から。