荷物を一生懸命運んでいたら、不思議な光景が目に映った。



ん?



ウチ(おいらが住むことになった部屋)の向かいのアパートの2階に見たことあるヤツがいる。
まさか、ね。だって、あいつ広大とか、体育推薦受けるとか言いよったし。



んん~?



いや、でも似とる。



いや~、違うか。





「おー!Namizo-やん」



「やっぱりか!」



「何?福大?」



「おー、工学部よー」



「おれ体育学部」





高校の時に仲良かったT郎だった。一緒に遊んだりはしなかったけど。
これを境によく一緒に遊ぶようになったり、波乗りに行ったりする変り種の友人。



なぜ変り種か?公務員で、かつ体育教師だから。



まさか、こんなヤツが将来教師になるとは思いもせんかったわ。



さて、結局ゼロからの誰も知り合いがいないところからのスタートではなくなって、
よく聞いたら経済学部に1人、商学部にも1人、同じ高校から入学していた。



ふ~ん。全国どこに行っても、日本なら知り合いがいるもんなんだろうね。



な~んだ。



こっちは外国に来た!ぐらいの気持ちだったのに。





次の日の入学式には、T郎と、近くに住んでいたI上と一緒に行くことにした。




朝、T郎と待ち合わせた(というか、T郎が呼びに来てくれた)。




よく晴れた青空の下ちょっと歩いた後に、おいらの服装や髪型を見て彼はこう言った。



「もうちょっと、なかったかな?」




「何が?」












「・・・いや、シャツとかネクタイとかさ、あと髪型」




「・・・何で?」




「・・・・・・・いや、逆にこっちが聞きたいわ」




「・・・聞いてみて」







「なんで赤のタートルネックなん?」




「・・・悪い?」




「いや、悪くないけど・・・。完全に浮くと思うわ」




「・・・まじ?おれ、やっちゃった?」






「うん・・・。あと、それ何?パンチ?」




「いや、アイパー」




「あ、そ。どっちでもいいけどドライヤーでのばせる?」




「・・・ちょっとなら」




「うん、I上の家に走って行って、まずYシャツ借りよう。ほんで、ドライヤーね」




「・・・はい」






いや~、高校生まではそれがカッコイイと思ってたんだけどね~。
今思い出しても、相当変な格好に完全におかしなポリシーぶら下げてましたから。




思い出の写真なんて、見せれませんから。




つづく。



テキトー2



ちなみにVol.4はここ から。