N田さんに呼ばれて。




R中国支社に着いて、N田さんと話す前に元同僚のM脇と話をした。



M脇「7月からの仕事はもう結構あるんですか?」


おいら「うん。ボチボチやね」
(ほんとは全然ないけどね)


M脇「そうなんすか。忙しいですか?」


おいら「まぁ、人並みにね」
(忙しいのは気分だけね)


M脇「じゃ、無理ですかね・・・」


おいら「何が?」
(おいおい気になるやん)


M脇「いや、ちょっと手伝ってもらおうかって話があるんですよ」


おいら「どんなこと?」


M脇「いや、片手間じゃ出来ないですから」


おいら「いや、結構時間あるよ、そういえば」


M脇「そうなんですか?じゃ、N田さんに詳しく聞いて下さい」


おいら(おい!じらして終わりか!)




N田さんは、Rのメンバーと面談に来ているようだった。
そういえばビーサンも何か話したって言ってたよな。


一通り、メンバーとの面談を終えられた頃に2人で話をすることになった。



N田さん「どう、調子は?」


おいら「まだ何も動いてないって感じですね」
(もう、最初から正直にいこう)


N田さん「ほんとよくやるよね~。恐くないの?」


おいら「意外とそうでもないですよ」
(ここまで来れば、恐怖は通り過ぎてます)


N田さん「そんなもんなんだ。ちょっと聞いてみたいんだけど、いいかな」


おいら「何なりとどうぞ」


N田さん「これから人材系ってどうなると思う?」


おいら「景気は後退するし、メディアも乱立していますので、ホニャララになると思います」


N田さん「そうかもね~。ところで事業は忙しくなりそうなの?」


おいら「そう願ってますけど、そうでもないんで必死にあがいてます」


N田さん「・・・良かったら、もうちょっとだけRの仕事手伝ってみない?」


おいら「え?マジっすか?やります」


N田さん「即答だね。じゃ、辞めなきゃいいのにね~」


おいら「あぁ、そうかもですね~(笑)。でも自分で(会社)やりたかったんですよ」


N田さん「だろうね。それは見てたらよくわかるわ」




・・・
そんな話をして、結局しばらくの間、Rのお仕事を手伝わせて頂く事となった。



この話を頂くまでの経緯は全く知らないし、普通だったらありえない事だと今でも思う。

人材系の事業とはちょっと距離を置きたいと思っていたにも関わらず、
再びこの事業に関わらせて頂くことになった背景には大きく2つの理由がある。



ひとつは、営業支援を生業にすると決めて、R時代にお付き合いを頂いていたお客さまを
数十社訪問させて頂き、事業の説明をさせて頂いたとき。
「Namizo-に何か手伝ってもらうとすれば、一番期待するのは営業系よりも人材系」
とほとんどの企業様に言われたこと。



もう一つは、会社設立前からおいらを心配して下さった先輩経営者のお心遣いにより、
人材系とは全く関係ない商品の営業代行業務をさせて頂くことになった時。
当初はおいら達の行動量でその商品の拡販が一気に進むと目論んでいたが、
形ある優れた商品だったにも関わらず、驚くほどその商品を売ることが出来なかった。
自分達が強みを発揮できる商品は、(有形の商品ではなく)無形の商品であり、
それが人材系の商品だと一層あてはまることに気付かされた。



これらの経験を設立前の2ヶ月、有給消化中にし続けた結果、なかなか厳しいなと感じていた。



結局、自分達の企業としてのスタンスや経営にフィット感があれば、
お客さまが望んでいることを事業にしたらいいじゃないか。
という、会社を立ち上げる時に大切にする事さえ外れていなければ、
自分達の変なこだわりなどはとっとと捨ててしまえと思えるようになっていた。



感謝だよねぇ。



これまで、「思い通りにならないものは全部捨てちゃる!」ぐらいの感じで、
いろんな事に対してぶっきらぼうに接してきた。



なのに・・・。



こうして、色んな方々に拾ってもらえなかったらどうなっていたんだろう。



なぜこうやって拾って頂けるのだろう。。。



常に感謝の気持ちを忘れちゃいけない。





そう決心し直した、想定外の出来事の数々だった。





つづく。。。