おいらが退職をするということが発表されたのは3月上旬だった。
6月30日付けの退職なので、通常なら早くても5月ぐらいの発表なのだけど、
同じタイミングでビーサン
が辞めることや、管理職だったこともあり早めに発表して頂いた。
3月31日で管理職をはずれ、4月から退職までは久々にメンバーとして働くことになった。
メンバーの視界は新鮮だった。この感覚は忘れてしまっていたのかもしれない。
最後にも良い経験をする事ができた。
そうそう、創業メンバー3人目の岡本
はこの退職の発表を聞いてすぐに退職願を上司に出した。
「お前、嫁さんは大丈夫なの?心配してないか?」
「マジ大丈夫っす!」
「ちゃんと聞いたか?」
「サクッとそれとなく聞いときました」
「給料ないかもしれんよ」
「大丈夫っす」
「もーいーや。じゃ、給料ちゃんと出せるよう頑張ろうな」
「わかりました!マジ頑張るっす」
「・・・頼むわ」
何をやるかは置いといて、一緒に仕事をしたいと思ってくれたそうだ。
ビーサンといい、岡本といい、リスクって言葉を知ってんのかな。。。
ま、気持ちとしては嬉しいけど、絶対に岡本の嫁さんからは嫌われたはずだわ。
おかげさまで、6月30日には3人揃って辞めさせて頂く事になった。
4月に入り、おいらとビーサンの担当していたお客さまを残るメンバーに引き継がせてもらった。
すごく嬉しかったのは、あるお客さまに言われた言葉。
「何をやるか決まったらちゃんと報告においでよ。取引するから」
自分で退職を決意したものの、いざとなると割とナーバスになったりするもんで、
こんな暖かいお客さまの言葉には本当に感謝している。
事業内容を何にするかを考える時に、「どんなお客さまとお付き合いしたいか」
を中心に考えるようになったのも、この時の経験が後押ししていると思う。
10年間の勤務で有給休暇が掃いて捨てるほどたまっていたけど、別に休む理由もなかったので、
邪魔にさえならなければRに出社はしたいと思っていた。
会社での引き継ぎ業務を行いながら、週末や夜集まっては事業計画の練り直しや、
会社設立に必要な書類の準備などを行う日々が続いた。
初めて会社を創るのだから、全部自分達でやりたいと思った。
何をどうしていいのかわからない事ばかりだったけど、法務局の会社設立相談コーナーや
今当社を担当してくれている税理士事務所の担当の方が親切に教えてくれたので、
無駄は多かったけどなんとか準備は進んでいった。
創業経営者の方々は、自身も非常に苦労されていることもあり、
「えっ、やっちゃうの?思い切ったね~」
「将来会社がそこそこの規模になったときのためにこれは準備しておけ」
「これでお前も経営者の仲間入りやな。よし、今日のみに行こう!」
という励ましの言葉や、初めて飲みに連れて行って下さり、
会社経営のコツなどを惜しみなく話して下さった。
とにかく前に進むしかないと意気込んでいた。
Rに入社以来、ストレスには抜群に強いという自負があったが、
体調に異変が出始めたのはこの頃だった。
つづく。。。