ビリケン商会製ソフビ・キットは業界のターニングポイント | フェローズ・志村昌洋の蛮物想声

ビリケン商会製ソフビ・キットは業界のターニングポイント

『ビリケン商会』って皆さんご存知ですか?

 

南青山というお洒落なエリアに居を構えるアンティークトイ&画廊を営む複合的? なShopです。

 

 

しかしココ、ただの店舗ではありません!?

 

 

なんとモデル・キットの製造販売メーカーという顔をお持ちで、1985~6年(だったような?)世界に先駆けてガレージ・キットの素材にソフトビニールを採用し、パーツを切り出してはめ込むだけで簡単に組み上がる商品を開発したんですね。

 

今では当たり前の様に扱われているソフビ製ですが、ガレキ業界において始祖とも言える偉業を成し遂げた由緒ある企業なんです。

 

 

わたくし、二十歳位からこちらのお店に出入りしていた関係で店主の三原さんとは今でも仲良くして頂いてます。

 

ですのでラッキーなことに、その記念すべきソフビ・キット完成の現場に生で立ち会えたんですよ ポーン

 

 

その第一号となるアイテムがコチラ!

 

 

米国ユニバーサル映画『宇宙水爆戦』に登場したメタルナミュータント。

 

組み立て塗装するとこんなに素晴らしい仕上がりとなります!

 

 

 

このキット、最初はキャスト製(樹脂)のガレキとして発売されたんですが......

 

(これでも中空成形で十分凄いんですが......)

 

手間やコストが掛かるうえ、作り手にプラモ作りを超越した技量が求められる難物だったため、一般に広めるには限界があると感じた三原さんが閃いたアイデアから生まれた革命的な製法だったのですね。

 

まさに日本ガレージ・キット業界にターニングポイントが訪れたんです!

 

原型制作はハマハヤオ氏で、現在でもレジェンドと崇められる存在として活躍されています。

 

その新発売時から40年の歳月が経ち、ユニバーサル・モンスターズやウルトラ怪獣など今では数十種(把握できてませんw)の製品が作られて来ました。

 

 

 

今回なぜこのブログかと言いますと、先日コレクション・ルームの大掃除をした際、ビリケン製ソフビキットの初期作品が紙袋に包まれた状態で発見されたことに端を発します。

 

BOXとインストラクションは既に紛失し、バリが切り取られた状態のバラバラパーツで約40年越しに日の目を見たのが、その名も『ゴリラ1』

(う~ん...怪しげなネーミング...)

 

あまりの懐かしさに掃除もそっちのけで急遽完成を目指し制作に取り組んだ次第です。

 

丸一日 中性洗剤にパーツを浸し油分を取り除き、組み立てた状態はこんな感じ。

 

 

 

 

ソフビ用塗料は強烈な臭いがするため、炎天下の庭にタープを立て日陰の中でも大汗かきながら塗装に励んだ結果.....

 

 

 

果たして、こんな感じに仕上がりました。

 

 

決め手は毛並みのツヤを出すため、上塗りにゴールドをちょい混ぜしているところ。

 

どうでしょう?イケてますかねw

 

まあ元のハマハヤオ造形が素晴らしいので誰が作ってもある程度様になるってところがビリケン・キットの良いところでもあります。

 

 

現在のビリケン・ソフビ最新作はウルトラマンの第一話に登場した『ベムラー』です。

 

 

素組みでもこんなに素敵な仕上がりになります!

 

ご興味のある方は是非ビリケンHPを検索してみて下さい。

 

いや~楽しい工作時間ありがとうございました!

 

 

 

おまけ

 

35年前、三原さん達とわちゃわちゃやっていた『青山ねんど倶楽部』という素人集団の造形作品コンテストを開催しました。

 

(奇跡のタイミングで、三原さんが当時の写真をインスタにUpしていたので頂きましたw わたくしは非常灯の真下、隣の大男が三原さん)

 

 

そこでわたくしの作品がハマハヤオ賞を受賞し、いただいたトロフィーがこちらの『半魚人プロトタイプ』

 

 

 

ハマさんの見事な造形美!そして未発売のパープル成型色がエグイ!

 

今でも大切に保管しています。

 

 

 

ちなみにその時の作品は米国カートゥーンの『ブロンディ』に登場するブロンディの旦那”ダグウッド”でした。

 

 

 

 

 

 

ではパー