映画オッペンハイマー バカと天才は紙一重 | フェローズ・志村昌洋の蛮物想声

映画オッペンハイマー バカと天才は紙一重

アカデミー作品・監督賞ほか主要部門を総なめにした映画『オッペンハイマー』だが

 

 

米国では昨年の夏公開なので、1年近く遅れての日本公開となる。

 

 

歴史上、原爆の父(嫌な形容詞だ)と謳われたオッペンハイマーが、ドイツに先んじて核弾頭を開発するよう米軍に促されニューメキシコの砂漠に核爆弾開発基地を建造。

 

 

そこでの研究が『マンハッタン計画』と呼ばれていたのは知られた話だが、広島・長崎への投下後に私怨を持つ政治家によってソ連のスパイ容疑を掛けられ、聴聞会でつるし上げられるのは意外な事実であった。

 

この二つの時間軸を交差しながら3時間の重厚なストーリーが展開する様は、まさにクリストファー・ノーラン監督お得意の構成といえよう。

 

 

 

さて、この3時間だが・・・ ・ 飽きはしない。

 

ただ、申し訳ないが面白くもない。

 

なんと言えばいいか、事実(たぶん)を淡々と見せられ、盛り上がりの高低差はほぼフラットw

 

学者は研究に没頭し、軍属は戦果を追求、政治家は私利私欲に奔走、まさに単細胞の三つ巴が世界を変えていくのだ。

 

バカと天才は紙一重というが、本作を観てつくづく納得がいった。

 

 

まあ、そんなオッペンハイマーだが、女に目がなかったりと意外な一面を見せたり・・・ ・

 

 

 

大学教授時代の同僚をジョシュ・ハートネット(あまりの変貌ぶりにエンドロールまで気づかず!)が演じていたり・・・ ・

 

 

 

不気味な役でしか印象のないデヴィッド・ダストマルちゃんが出ていたりと、個人的には楽しめた部分もあったのは幸い。

 

(ザ・スーイド・スクワッド”極”悪党 集結より)

 

まあ、主役のキリアン・マーフィーもキモい役のほうが印象深いが・・・ ・ 

 

(バットマン・ビギンズより)

 

 

素のままで演じた?姑息な政治家役ロバート・ダウニーJr.が最優秀助演男優賞を獲ったというのもわたくし的にはブラック・ユーモアど真ん中であるw

 

 

 

劇中、オッペンハイマーと旧知の仲とされるアインシュタインが登場するが、よくもまあこんなに似た風貌の役者を連れてきたものだと調べたが、こちらは記憶に残る役どころは見当たらなかった。

 

 

残念。

 

 

この作品は”血塗られた歴史”の細部を知るという意味では有意義だが、楽しめる作品かと問われれば否というしかない。

 

WWⅡ戦争末期すでに敗戦していたドイツへ原爆投下ができなくなると、代わりに降伏寸前の日本へターゲットを変えるという、まさに成果を知りたいがための原爆使用・・・ ・ 悪魔の所業は決して許されるものではない。

 

 

まったくもってアカデミー会員が絶賛しそうな作品、まさにそれ以上でも以下でもないと感じました。

 

大好きなノーランだが 星 星 星 .7

 

 

 

 

ではパー