ベストセラー
『ベストセラー』 最近一番気になっていた本作。
うわー、劇場で撮った写真ヤバいんで、公のも載せときます。
コリン・ファース、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、ガイ・ピアース等
そうそうたる顔ぶれが揃う作品の割に、公開館が物凄く少ない本作?
フィッツジェラルドやヘミングウェイ他、数々の文豪を世に送り出した
伝説の編集者マックス(ファース)と、彼に見いだされ37歳という若さで没した
天才作家トマス・ウルフ(ロウ)の小説に掛ける情熱と友情を描いた良作。
この二人が初共演というだけでも興味津々だったが
ファースの"静の演技"とロウの"動の演技"バトルは見ごたえ十分だった!
終始ハットをかぶり、グレーのスーツに身を包むマックスは
編集者という中立の立場を表現しての無彩色なのか・・・ ・
それに対し、短命を予知していたかの様に熱く突き進むトムは
暖色のブラウン系クロージングで貫き通していた。
はたまた自由奔放なヘミングウェイと、繊細でスランプに陥った
フィッツジェラルドが、どういう意図か二人とも白い衣装というのも面白かった。
なんにせよ、頭の中にある思念をワードとして具現化し
最適な形で文章として並べていく作家たちの作品を、一般の人にも
分かりやすく伝えるために、バッサリと文字を削っていく編集者と
自分の表現を一言も削られたくない作者の葛藤が火花を散らす!
芸術は売れなくても構わないのかもしれないが、この世で生まれて
民衆に評価されないものは、自己満足の域にとどまる愚行なのかもしれない。
本作で、編集者と作家が日常会話を交わすシーンさえも
詩的な人間たちは思いもよらない言葉や表現を紡ぎ出す。
おりしもノーベル文学賞にボブ・ディランが輝いたが、彼が生み出した物も
今ではスタンダードとして捉えられても、その時代にしてみれば考えられないほど
斬新なものとして、民衆の文化さえ変えてしまったのだろう。
食事をするときにさえ被り続けたハットをラストシーンで脱ぐマックス・・・ ・
邦題は『ベストセラー』、あいまいに本という"作品"を指しているが
原題は『GENIUS』。
編集者と作家、どちらを天才と評価するかは観た人次第ではないだろうか。
最後に、ウルフの女房アリーン(ニコール・キッドマン)。
ホラーレベルに怖かったんですけど・・・ ・ (゚Д゚;)ガクブル
なんか本人の見た目とベストマッチがよけいにビビりました。
女優としての力量が凄いんでしょう・・・ ・ きっと・・・ ・ まん。
では