昨日の記事で取り上げた"From Opera With Love"について、もう少しだけ「ああでもない」「こうでもない」が言いたくておかわり。同コンサートの趣旨が素晴らしいものだったから思い出すたびに感銘を受けてる。改めてルイス家の家業には感嘆に堪えないよ。これまでの人生で誰かにそんな感情を抱いた覚えがないけれど、彼らを存分に愛でられる豪州人を心底羨ましく思った次第

 

「オペラより愛を込め」ながら、彼が歌ったのはこちら;

これまでにも当ブログでこの動画を何度も貼付しているからアレクサンダー・ルイス(以下AL)氏がこの二重唱を歌いこなせるのは知っていた。その相手がよもや実父であるバリトン歌手マイケル・ルイス(以下パパ・ルイス)だなんて、これこそまさにルイス家のお家芸が極まるというものだ。我が国でも歌舞伎において親子兄弟親族同士で口説き合うなんて展開があるから、恐らくそれらの面子で一人の女性を奪い合うこともあるのだろう。この二重唱をご母堂であるパトリシア・プライスはどんな面持ちで聴いていらしたのだろう。もしかしたら『真珠採り』ルイス家ver.期待できるんじゃ…!?

 

別にフアン・ディエゴ・フローレスが好きな訳じゃなく、ほかに適当な動画が見付からなかった。私にとってははじめてMETの国際ラジオネットワークでリアルタイム聴聞したのが同作だったので、その時に主演を務めたプリティ・イェンデ&ハビエル・カマレーナの印象が強いな。これは農夫の青年が恋人のために軍隊へ入ったことを歓喜する場面。AL氏のトニオはさぞかし態になっていたことだろう。同じくドニゼッティ作品である『愛の妙薬』にも同様の展開がある、どちらかひとつでも動画に残っていたらそればかり観倒してしまったはずだよ、だからこれでよかったんだ(鉄の涙を流しながら)

 

『リゴレット』から「美しく愛らしい娘よ」。原作者のヴィクトル・ユーゴーは同作のオペラ化に懐疑的だったものの、この第3幕の四重唱を聴いて態度を改めたという逸話が伝わる。それほどに美しい旋律だ。今タイトルロールはパパ・ルイスにとっては長年にわたって歌い続けてきたレパートリーのひとつだから、こうして公式の場でご愛息と歌える歓びについては、その心中を察するに余りある。たとえそれと歌い上げる歌詞が「こいつぶっ◯す」だったとしてもね。もし彼が実際にマントヴァ公爵を歌ったら、一体どんな好色振りを拝ませてくれたかしら? その正解を知りようがないのに人生は続くんだ、多少ブログで戯れるくらいは許してほしい

 

余談なんですが…

WAAPAオペラ合唱団(これを早口で3回繰り返してみて!)
なる一文を読んで、

 

この動画のことを思い出しました。こういうの合衆国とかUKの記事や動画の中では観たことないな、私が知らないだけなのだろうか。あるいは小粋なオージー小噺の一種なんでしょうか?

 

今試してみたら普通に言えたものの、それは私が生来英語話者ではないからかも知れない。それよりも巷が働いてる平日の昼間から私は一体何やってんだろう感の途方のなさが過ぎる。彼は言えるのかな、当然言えるんだろうな、もし言えなかったらカワイイな。どっちに転んでも最高でしかないAL氏自身が最高そのものだよ