久し振りにここへ戻って来たから、最初に何から書きはじめようか迷ってしばらく経つ。これまでだって完璧を求めながら散々に失敗の憂き目を見てきたことだし、特段に至妙を気取れる訳でなし趣くままに書くだけだよね。それに、どんなに高尚な前文を書いたところで、結局のところ本文は頭おかし目になる予定だしね!!!!!

 

先日から雇用先と就業形態が変わる予定でいたところへ義父を亡くし、それを受けて何も分からないまま看護業界へ自責の念と共に衝動的に参入してから、既に一ヶ月。最初は戸惑うことばかりだったけれど、ここのところ仕事が楽しくなってきました。「医療や介護の業界は気が強い人が多いから苦労が耐えない」というのも頷ける一方で「一人の人間の命を預かるなら、そうでなくては困るのでは…?」という気持ちの方が勝るというのが本音かな

 

「どうすれば義父にとっての救済になったのか?」、その答えは未だに出ないまま。私に何の力もないことにも変わりはないとは言え、これから家族が終活を迎えるなら、その時に必要な知識と経験を身に付けて、それに備えたい。もし看護や介護が必要なフォロワーがいたら、あと数カ月後の私に任せて!

 

毎日の業務は激務で、おおよそ平均3万歩前後は稼働する。毎朝4時半に起きるのは朝型だから成し得る技かも。今は急性期医療病棟にいるけれど、徐々に「人間の死」に慣れていくのが怖い。この世界中の皆が望まれて生まれてきた、「その希望が一生にわたって続いてほしい」と切に願うよ。そうあるべき心が折れそうになった時に寄り添ってくれた芸術のことを終生にわたって忘れない、もっと具体的に言うならAlexander Lewisさんのことを

 

 

片道およそ徒歩一時間掛かる道のりを歩くのに、毎朝の往来にはラジオを聞いている。だって、そもそも12歳の頃から朗らかさを失った人間だからね。そうして昼間は「何の苦艱もない医療従事者」に擬態して、その後のアフ5ではコレを聴いてるってわけ。あのトニー賞受賞演出家であるスーザン・ストローマンの才覚冴えわたる、この振り付けが大好きだよ。このサムネに映る襟足の美しさは言わずもがな

 

以前にも貼付したかも、そのリハ風景はこちら。いわゆる在欧の歌劇場のそれと異なって、どいつもこいつも「…正気か?」みたいな服装の人間が雁首揃えてるあたりがTHEアングロ・サクソンあるある過ぎる。こうして見るだに、以前の推しってほんっっっとうにおしゃれだったんだな…。どうしてダニロ伯爵役の時にはリハ段階からブーツをお召しだったのに、ここでは履いていないのは何故なんだぜ???

 

これが件のダニロ伯爵役におけるリハ映像なんだけど…いや、普通に考えて脚長すぎじゃない? この類稀なる歌唱力に不可能を感じさせない演技力さらに運動神経も機敏で頭身も神懸かってるとか、一体この人に天は何物を施す気なのか。どんだけ前世で徳を積んだらこうなるの。とはいえ、そのどれもがいっそ邪魔になるくらいの美貌の前ではすべてが霞むよ。彼女の前髪を直すこの仕草に一生うっとりしてる

 

そして、同役の宣材用映像収録も兼ねたゲネ。この動画の冒頭で神経質そうに前髪を掻き上げる仕草が好きすぎて、昨日なんて何度も巻き戻しながら一日中そこだけ永遠に観てた。これを映像化または円盤化しなかったオペラ・オーストラリアを憎めばいいのか、それともこの数分でも残してくれたことに感謝すべきか最早分からない。彼はダニロ伯爵も素晴らしかったはず、その好色振りは想像がつかない点も含めて!

 

彼はオペラ歌手のみならずミュージカル俳優としても活躍振り目覚ましい。かつてABBAを牽引した功績で知られる男性陣2人が作曲を手掛けたミュージカル『チェス』は大変に御しがたい難曲揃いであると記憶してる。その主要な登場人物の一人であるアナトリーは咀嚼しづらいこと極まる態を日本語上演版で同役を演じた石井一孝さんのブログを読んでひしひしと感じたものだった。このライダース姿めっちゃ貴いな…

 

けだし優れた音楽であることは認める、さあれど『オペラ座の怪人』に興味を惹かれた経験はなかった。こうして改めて鑑みれば、個人的嗜好のひとつに挙げられる当て馬よろしい要素(『ドン・ジョヴァンニ』のドン・オッターヴィオみたいな)は刮目に値する。そうして世界各国上演版における歴代ラウル役まとめの中で彼ほどの人はいなかった。この身長差を愛でずして、一体どんな愛を語ればいい?

 

もしかしたら日本では彼のはらからであり、同じくオーストラリアやロンドンにおいてもタイトルロールを演じたベン・ルイスの方がより有名かも。もし同じ舞台の上に立ったことがあるとしたら『万葉集』に推察される額田王や『北斗の拳』も真っ青の兄弟間に張り巡らされた三角関係である。実は、彼自身も代役として約半年にわたって同役を演じたことがある。そのご尊顔を拝めないとか何かの冗談か拷問ですかよ?

 

「Q. 一番好きなオペラ作品は?」と訊かれたら、現在なら迷わず本作を答える。どんなに業務中の忙しい時でもこの二重唱さえあれば乗り切れる、どんな艱難にも堪え得るんだ。冒頭において登場するや運命の相手に口づけを強請る場面は素面では観られないほど胸高鳴らされるよ。こんなに『禿山の一夜』が楽しそうだなんてディズニー愛好家としては意外だな、これからこの曲を聴くたびに彼の鼻梁を思い出すだろう

 

そうして、かねて"From Broadway to La Scala"について採り上げた際に「せめてここだけでも」と願った『真珠採り』の二重唱をようやく見付けた。以前の推しが演じたズルガが素晴らしすぎたゆえに、今でも彼について思い馳せる機会は決して少なくない。これまで身勝手が極まるナディールを嫌悪してきたのに、まさか惹かれる日がくるなんて。この耳に残る歌声、私がレイラなら助走をつけて禁忌を犯すこと請け合い

 

まさかの同国トニー役よるスキップ姿も可愛いから観て!

 

 

これらの動画群を鬼リピートしていることに気付いたらしい夫から「この中の誰が好きなの?」って訊かれたのが癪に障ったので「あなたに当てられる?」って意地悪で返したら、まさかの「この人でしょ、だって俺に似てるし」という正答だったっていう。そうなの、「毎日このご尊顔を拝めるなんてAlexander Lewisの奥様めっちゃいいな…」と思ったことがありはしたものの、私の方こそ幸せを噛み締めるべきだった

 

あなたをこの世界にもたらしてくれたご両親に報いるべきよね。その高い鼻梁に柔和な唇そして美しい横顔のどれもを永遠に眺め続けていたい

今年も実家の普賢象が見事な花を見せてくれました。毎年この大きな八重桜を見るたびに「蝶々さんがピンカートンを待ち侘びながら眺めていたのは一体どの桜だったのだろう」と思案する一方で、「せめて刹那でも孤独な侘しさを忘れさせ得る賑々しいそれであってほしい」と祈るような気持ちを掻き抱かされることしきりだよ。特に思い入れのない『蝶々夫人』のことを考えるのは一年を通しても春の限られた一時だけだ



そうして可憐で嫋やかな薄紅色が散ってほどなく鮮烈なる黄色い牡丹を見るにつけてはトゥーランドット姫のことを思い出す。私は中国四千年の歴史にもその服飾史にも詳しくないけれど、それでも清王朝時代の女性たちが身に付けていた百花王の名に相応しい美しさの髪飾りにほど胸ときめかされたことはないとさえ思う。その情熱が高じて、あの花飾りと簪を買ったものの結果は…そう、分かるよね。あれが似合うのは儚げな美人に限られるってこと!



残念ながら美人ではない上に写真の腕も散々と来てる。しかも飲んだくれ。まあ、要するに「いいとこなし」でも花を見る目だけはあるってところかな



「ここまでプッチーニ作品に思い馳せたのだから、折角なら異国三部作を准えるべきだよね!」って思いはすれど、所詮飲んだくれにはこれが限界でしたことよ。いずれにしても合衆国の国花は薔薇だし、そもそも東京ディズニーランドなんてほぼ西部みたいなものだから許してほしい


新しい仕事が!どちゃくそ忙し過ぎる!平素インパした時でも15,000歩程度しか歩かないのに、今の仕事に就いてから一日平均3万歩近いとか!!!!! しかしながら、おおよその恋愛がすべからくそうであるように、大抵は仕事も覚えたてが最もやりがいに満ちて楽しきものよ。この1ヶ月程度そうだったように、しばらくは仕事に専念することになりそうだ

以前から気になってたけれど、



この楽器の名前は何だろう?


どんな音色がするのか知りたくて調べても結局いまだに真実にたどり着けずにいる

Acclaimed Opera Director Michael Cavanagh Dies at 62

主に北米やヨーロッパなどの歌劇場を中心に活躍したオペラ監督マイケル・カヴァナーが現地時間3月13日に亡くなった。その経歴を助監督からスタートさせ、これまでにオペラの脚本や企画・プロデュースを手掛けてきた多彩な才能でも知られる故人の代表作としてサンフランシスコ・オペラ上演によるダ・ポンテ三部作(『フィガロの結婚』『コシ・ファン・トゥッテ』『ドン・ジョヴァンニ』)など。同『コシ・ファン・トゥッテ』は、来春ロサンゼルス・オペラにて上演が予定されている

 

Gustavo Dudamel dirigirá 'West Side Story' de Bernstein en el Liceu, en julio de 2025, con las voces de Nadine Sierra y Juan Diego Flórez

スペインを代表する歌劇場の一廉として知られるリセウ大劇場は来月に控えた来季の上演予定演目の発表を前に、巨匠グスタヴォ・ドゥダメルが『ウェストサイド物語』を指揮することを明らかにした。同作は3年前に最映画化されたことでも記憶に新しく、既に今季オペラ・オーストラリアなどで上演がはじまっているほか、来季もヒューストン・グランド・オペラなど各国の主要な劇場のラインナップに連ねられている。主演はトニー役にフアン・ディエゴ・フローレス、同マリア役としてナディーン・シエラを起用するという
 

Metropolitan Opera presents semi-staged ‘Turandot’ after stage malfunction

現地時間3月21日水曜日のメトロポリタン歌劇場ソワレ公演はとんでもない災難に見舞われたようだ。同日昼に『つばめ』のリハーサルを行ったところ舞台装置の移動に際してセリが故障してしまったという。同旨の説明はピーター・ゲルブ総裁から公演前になされた。「通常版での上演は望めないものの、弊歌劇場史上はじめてのセミ・ステージ形式による『トゥーランドット』を演奏する準備は整っています」と同総裁は語り、その希望者にはチケットの払い戻しをするとしたが、そのまま幕は開けられた
 
「世界最高峰のピアニスト」とも称され、多くの聴衆を魅了したピアニストのマウリツィオ・ポリーニが死去した。現地イタリアの地元メディアなどが報じた。享年82歳、死因など詳細は明らかにされていないという。早くから国際的な舞台で活躍し、若干18歳にしてショパン国際ピアノコンクールで優勝を飾ったほかグラミー賞など数々の輝かしい受賞歴を誇る。とりわけ広いレパートリーと卓越した演奏力で聴衆の知的好奇心を擽ったものの、晩年は心臓疾患のためキャンセルが相次いでいた
 
最も優れた現代オペラ作曲家であり指揮者兼音楽教育者であるエトヴェシュ・ペーテルが母国ハンガリーの首都ブダペストで亡くなった。彼の遺族により明らかにされた、享年80歳。我が国とは1970年開催の大阪万博をはじめとして「戦後の日本文学」を築いた小説家・三島由紀夫の割腹自殺を題材に据えた『ハラキリ』ほか『更級日記』を原作とする『更科夫人』を手掛けるなど、なにかと縁が深いことから、特に音楽愛好家などを中心に親しまれた