改めて自己紹介をするね、私は旗本ユカ。趣味はオペラ鑑賞。好きなドラマは『OC』『パンナム』『デスパレートな妻たち』『プリティ・リトル・ライアーズ』『翔べ!ロック・ガールズ』『恋するマンハッタン』あたり。いわゆる見目麗しい女性たちか愛くるしい女の子らが引きも切らずに登場するような作品が大好きで、その基準に適合しない内容なら絶対にウォッチリストから外す

 

それなのに頑張って観たんだ、個人的な嗜好にまったく準拠しない『ヘッドランド』をね。かつては製鉄の街として栄え、現在は大学を有し学生街となっているシドニー郊外に位置するサウスヘッドを舞台とするこの作品。その架空の沿岸地域にあるホテルと大学に関わるさまざまな人間関係とそれらが紡ぎ出す事件を描いてる

 

 

先述したあらすじなら傑作に思えるよね、この予告に関しても期待をそそられるよね、なのに実際のところ世間が下した評価は「駄作」だった。どれくらい駄作かって言うと「この国で制作された中でも最悪なメロドラマとして運命付けられた作品」(ヘラルド・サン紙)とまで評されたほど。あちらの一般視聴者の感想も一通り読んだよ、「これに比べればほかの二流ドラマは芸術品だ」とまで書いてあった。どっとはらい

 

それなのに観たのはアレクサンダー・ルイス氏が出演しているからだよ。まったく前知識がなかったので、どんな役柄なのかさえも知らなかった。彼はサウスコースト大学に在籍するジョック(いわゆる一軍)かつ問題児。これまでに彼が演じた中で言うなら『リゴレット』のボルサ役が近いと言えそう。そう自ら語るように実際「学校内では騒がしい方だった」とのことだから、これは現実の彼自身の性格と似ているのかも

 

もともと大人気シリーズよりも打ち切りドラマの方が性に合っている。それに『虚栄の市』や『フォーサイト家』のような群像劇には目がないんだ、だから今作も面白かったよ。もっとも彼の出演した場面だけしか観ていないゆえの感想かな。昨今のそれらよろしく男性陣の外見には期待できないし、唯一の可愛い子もイヴォンヌ・ストラホフスキー(代表作は『チャック』『デクスター』など)だったからそこに目を瞑れる方向け

 

この赤いポロシャツを着てビールを煽ってる鼻持ちならない若者を拝むためだけにドラマ視聴を試みるなんて無様だと思うでしょう? このドラマの登場人物の男性陣は彼を除いてほぼ全員がそれ以上に無様な髪型だから、ご鑑賞の際にはご覚悟されたし

 

彼だけが目当てだからまったく真剣に観ていなかったのに、それでも「こんなとこから写真が出てくるとか衛生管理概念どうなってんだ」「大して面白味のないカラオケ・ナイトとやらだけで一体全体何話引っ張るつもりなのか…」などとある意味では最高の衝撃を味わわされたかと思えば、件のカラオケの場面でも案の定山場らしい山場はなく結局これ(上部に貼付の写真を参考のこと)

 

この作品のキャスト陣は舞台およびミュージカル経験者も多数いるし、その中で最高の歌唱力を持つであろう人間をよりにもよってこの扱い方とか揃いも揃ってドラマ製作班の正気を疑わざるを得ないんだけども…彼自身は一体どういう気持ちでここに居合わせ続けたんだろうか

 

とはいえ、その若かりし姿をオペラでもミュージカルでもない媒体で残してくれたことは感謝に堪えないよ。彼の出演を増やしていたら伝説的作品になったこと請け合いだったのに