引き続いてAlexander Lewisさんのご尊顔が貴すぎる。先日なんて家族で小旅行に出向いたものの、いつものように夫や子供が寝静まったのを見計らって『ソルチンスクの定期市』を繰り返し観てた。これじゃ家に居る時と変わり映えがしないにもほどがあるな

 

とはいえ、大抵の旅行先では旅館における広縁に該当する場所で、皆が寝静まった後にオペラを鑑賞するのが常なんだよね。数年前に常宿に宿泊した際にMETの『真珠採り』を観てたら、唐突に夜更けに起きてきた祖母が「全員同じ顔だらけ!?」って超絶驚いてたのを思い出す。あの時はごめんね、おばあちゃん。あの時にちょっと寿命を縮めちゃったかも知れない分だけ今後はそれ以上に伸ばしていく方向で支えるから安心して

 

 

Zomer Opera: Les Pêcheurs de Perles (Bizet) (2017)

ちなみに、その時に祖母に度肝を抜かせた場面がこちら。彼をこよなく愛していた当時は「この仮面いくらで売ってくれますかね???」と思ってた。今でもちょっと欲しかったりする

 

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さて、先達ての記事では掲載し切れなかった動画を貼付して行くとともに萌え語りをおかわり。たとえ片鱗だけでもその一挙手一投足を垣間見ることができるなんて、なんていい時代なんだろう。もし現代に生きているのでなければ、この幸福感に満たされることもなかったのかと思うだに、つくづく幸せを噛み締めて生きざるを得ないってものだよね

 

これぞメトロポリタン歌劇場(以下MET)名物の幕間インタビュー、今作『リゴレット』(2013年)ではホスト役を歌姫ならぬオペラ界に君臨する女王ことルネ・フレミングが務めている。この時には『メリーウィドウ』における共演が決まっていたのだから、その商法は実に如才ないと言えそうだ。同作では通常描き切れない登場人物の内面を掘り下げて作品により深みを持たせることに成功していると言える。彼が扮するボーサは、その人物像としてピーター・ローフォードが意図されている旨を屈託なく話すあたり最高に(合衆国にとっての)外国人って感じがする。どんな髪型でもどんな色でも手懐けちゃうの、これだけでひとつの才能よね

 

そして、こちらが本編中の登場シーン。この演出では盤石な地位にあるマントヴァ公爵の周囲にあっては取り巻きたちに動きを持たせ、それと相対するようにリゴレットという権力とは無縁な道化者が中心となる場面では努めて静物に徹する手法を取っている。それはそのまま彼らの真心の象徴なのではないか。すなわち移り気な公爵と、ただ一心に愛娘を溺愛する道化師双方にとっての。そうであればこそ彼らがリゴレットとジルダに比して下手に配置されていることが物語にとって多くの意味を持つ…とかはどうでもよくて、ここで見せてくれるほかでは拝み得ない嘲笑の表情にただただ恍惚とするばかりだわ

 

彼はオペラとミュージカルで活躍する俊英、その事実を存じ得なかった時にこれを見付けて「???」ってなった。その後に怪人(エリック)役を歌ってるのを観た時にも同じようになったし、何なら今でもそのままでいる。ここで二重唱を歌い上げるのはオーストラリア版でクリスティーヌ・ダーエ嬢を演じるアナ・マリーナさん。彼女の外貌も理想的、この身長にこの顔立ちとか神様は一体どんな悪戯をしてくれちゃってるのか。こんな女性がこの世に存在する奇跡とか…! 私自身も一応舞台経験者だけれど、どうしても素人かつ偏差値2の疑問を持たざるを得ないよ; 「お互いによく好きにならずに済んだね??????」。どうしてか舞台に比べて身長差を感じない不思議は何故なんだぜ?

 

我が国でも上演された印象派を代表する画家であるジョルジュ・スーラを題取ったソンドハイムによる『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』なるミュージカル。同作オーストラリア上演版でヒロインのドットを演じたクリスティーナ・オニールさんは、現在では彼にとっての公私にわたる唯一無二のヒロインでもある。この溢れ出る多幸感が堪らない。かねて私服に苦言を呈して止まない身としては、彼女と結婚した直後から突然に洗練されたので、彼にとっては本来的なミューズそのものでしかない。とはいえ、この時分のギークっぽい雰囲気も可愛いな。全部「顔がいい」で片付くの最高過ぎる

 

In Conversation with Alexander Lewis

元オペラ歌手で、現在はオペラ・オーストラリアの舞台監督を務めているリンドン・テラシーニとの対話シリーズにも出演。この時の髪型が一番好き。これまでに胸毛の存在しないオージーを観たことがないので、さまざまな意味で衝撃的だった。いわゆる音楽一家の出身とあって、ご両親やご兄弟であるBen Lewisさんのこと、先述した奥様や愛息テオくんのことなどを大変気さくに語ってる。個人的に驚かされたのは、ここで『メリーウィドウ』のダニロ伯爵役を演じる上において、その数年前にMETで「サン=ブリオッシュを演じた経験が役立った」と話していること。その後に披露している歌声も含めて、彼が扮するダニロ伯爵は魅力的にも程がある

 

折角だから、彼の兄弟で『オペラ座の怪人』と続編『ラブ・ネヴァー・ダイズ』における怪人役を演じたベン・ルイスの動画も貼付しておきましょうか。他人の顔貌を覚えるのが苦手なので、普通に見たら何とも呆気なく忘れてしまいそう。それなのに、なぜか歌っている姿は、よく似て見える。我が国にもファンが多いようなので是非とも来日してほしい、その際にはご家族を伴って

 

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まさに「奇遇!」と思ったものの、そもそも世界中全員が願って止まないことでしょ。これを実現させられないミュージカル界に愛だの恋だの夢だの希望だのと耳障りの良い内容を嘯く資格は金輪際ないと思うべきだよ