そういえば、昔から家族だけで外食しようとする時には決まって北京料理か寿司が多かった。だからかな、今でもそのふたつには堪らず目がないのは。とはいえ、我が家でいつも拵える寿司はちらしか手巻きだし、いわゆる中華に至ってはほぼつくったことがなかったように記憶してる

 

「今までに経験がなくても、いざやる気を出せば不可能でもないんじゃ?」と魔が差してしまったが最後、自分でつくってみないと気が済まない性分である。そんな訳で簡単な献立から手を出しはじめたら…これがもう面白いのなんのって! しかも家族にも概ね好評だったのがうれしい

 

「よし、まず親しみのある北京料理からはじめるぞ!」と並々ならぬ決意で台所に立ったのに、最初はよりにもよって四川料理になっちゃったっていう残念な人間ながら味は最高

いかとセロリの塩炒めは上海料理。まずセロリに油通しする、それだけで頬が落ちるほど甘みが増す。もしセロリの生食がお好きな方は加減して。いかには隠し包丁を入れても◯

これら具材の下に隠れてる究醤拌麺は台湾で人気の麺料理だそう。その説明に「香辣椒麻味」とあったので胸躍らせてたものの…辛味や痺れが苦手な方にこそお勧めと言えるかも

既に我が国でも一定の市民権を得ている刀削麺と同じ西安料理の𰻞𰻞麵。どちらも同じ平麺で、その食感が柔らかいきしめんよりはひもかわに近い印象だ。具材をわしわし混ぜて

いわゆるにんじんラペの中華版である涼拌胡蘿蔔絲は…どこの地域の料理なんだろう。全品揃え中で、最も作るのを楽しんだ。そうなの、何も考えずに済む千切りは得意なんです

今回の料理中で一番おいしかった涼拌鮮貝。我が国で普及しているのはキュウリと和えたものだけれど、元来「涼拌」は冷菜であればいいらしい。今後は本場どおり蛤を用いよう

 

……来週に続く……

 

今更ながら小澤征爾音楽塾のリハーサル風景を観たけれど…あれ、なんだか推しが心なしか窶れているような…。もしかしたら食べ物が合わないとかかな、その可能性も充分に考えられるよね。実際「何を食べてもおいしくない」みたいな事態って教養の有無に関わらず起こりがちだし、我が国そういうの多いもんな…

 

昔フェルナンド・アロンソ選手が初来日の際にお偉方が気を利かせたつもりで懐石だ和食だ寿司天ぷらチリ鍋だののご馳走を振る舞ったものの、あたら口に合わなかった。そりゃそうだよね、そもそも海鮮がだめな人だし。「もう日本ではうまいものは見付けられない。そう思っていた俺に救世主が現れた、それがカレーだ」って言ってたのを聞いた時は思わず笑ってしまった。「ずっと探してた宝物は傍にあった」みたいな

 

あと外国からの旅行者に人気なのはお好み焼きとかカツ丼とかだっていうよかね。個人的には衣笠丼とかすき焼き、別分野ならたい焼きやいきなり団子のあたりも勧めたら高評価だったな。何でもいいから元気でね、推し