-----⚠この記事は意図せぬネタバレを含む可能性があります⚠-----

 

 

 

珍しくゲームの話を。最近CMでよく見掛けて、ちょっと気になっていた『アナザーコード 2つの記憶』(以下『アナザーコード』と表記)をプレイしてみた。同作は約20年前にDS用ソフトとして発売された際に高評価を得たことから、このたび晴れてSwitchに移植されたという

 

そうした経緯を受けて否応なしに期待値が上がっていたのが主因としても…手許の2画面やタッチスクリーンをベースとしたであろう構成をそのまま引き継いだらしい展開にはいささかの無理があり、最初期から物語を進めるのには難儀した。これは私のゲームに対する熟練度の問題も影響しているかも知らん

 

 

平素あまりゲームをしないのは、単純にてらいなく下手くそだから。どれくらい下手くそかと言うと、その登場人物としてディズニー各キャラクターを多数擁するという事実に釣り上げられて『キングダムハーツ』を勇み足でプレイしはじめたものの、最初に木材だの貝殻だのを集めるというチュートリアルの段階で挫折した程度には下手くそ。要はド下手くそってこと

 

なんとか当時は彼氏だった夫や『ファイナルファンタジー』が好きな妹(巷にはファイファンファンとかFFFとか言うらしい)の助力を得て、最後まで完走し切れたのは奇跡的だったように思えた。いわゆる「ゲームが得意な人」は本当にすごい

 

「こっちにアイテムが隠れてるはず」とか「その門を潜ったら戦闘になるよ」とか預言までして来る。何故そんなことが可能なのかを訊ねたら、曰く「自分がゲーム製作者ならそうするから」とのこと。…それって国語の試験で頻出される「作者の気持ちを述べよ」って問題を解き続けた功労によるものだ、まさに教育の賜物ってやつ!

 

 

ところで話題を戻して…そうした理由などもあって『アナザーコード』に道半ば(というにはあまりに最初期ではあれど)で見切りを付けざるを得なかったってわけ。そして、これは自力でゲーム攻略を果たした試しのない落伍者の戯言として受け流されることを願うけれど、とにかく主人公に纏わる説明や彼女による独白が多過ぎる。さりとて読み飛ばすことが出来ず、その間はAボタンを連打し続けるだけの機械にならざるを得ないので、何も内容が頭に入ってこない

 

それから、これも書くと酷くお叱りを受けそうな要素として、主人公の少女の発声が不自然であること極まりなくて、普段漫アニに親しみのない身としては馴染めなかったという事実も大いに奏功しているかもしれない。この声やそうした類型を好む方の嗜好は否定しない、要は私には合わなかった、それだけ。突き詰めるに、より効率よく進めるゲームの方が好ましいという点も含めて

 

 

「自分探しのため」「孤島に挑む」「子女による(ほぼ)一人旅」というごくありふれた要素によって重なる部分が多いゲームは多々ある。その中で、個人的に最も優れていると感じたのが同作だった。けだし主人公の独白に導かれながら物語が進行するものの、文字どおりに行動を遮らず進むために、こちらに倦怠や停滞感を抱かせないことに成功している。いわゆる「さまざまな種類のミニゲーム」と「この上ないグラフィックの美しさ」を両立させるばかりでなく、それらをあますところなく堪能し得るに持って来いの世界観を構築したところに本作品の真髄はある

 

いわゆる小説や映画で描かれる「呪われた一族」が古今東西で人気を博してきたように、この一族はさまざまな受難を引き受けてきた。それによって精神を犯されたことを伺える描写もあるものの、それらは特筆して明言はされない

 

最も印象に残ったのは、主人公の長兄・ルイスの追体験パート。彼は鮭の缶詰工場で働きながら、実際の自分はファンタジー世界を救う勇者であると無想に耽るようになる。それを体現するかのごとくに左手では勇者を、右手では鮭の屠殺に従事しなければならない。現在ゲーム会社で働いている弟曰く、「それぞれ左右で異なる動作をさせる背景やらギミックやらに業界全体が騒然となった」というけれど、さもありなん。私のような素人でも容易にこなすことが出来る上に、こうした手練れまで唸らせるのだから、況や名作というのは一概に定義されない。もしあるとすれば門戸の広さは強みかもしれないな

 

 

それで、今はこれを絶賛プレイ中。確かPS5って何年も前に発売されながら今も入手困難って聞いてたのに、今年のはじめにコストコに行ったらほとんど投げ売りしてたので、思わず購入して今に至る。ちなみに、昨日行った時もまだ大量に積んであったから、もしお迷いの方がいたら、そのまま迷い続けてても大丈夫かも。普通に買ったら『スパイダーマン2』が付いてきたから、めちゃくちゃお得だった

 

前作のファンだったので早速やりはじめたものの、あたらMOMAだのBloomingdale'sだのの要はNY観光に明け暮れてばかりで、まるで真面目にミッションに向き合ってない。一人でいる昼間にはMETのオペラに傾聴し、夜になれば夫とバーチャル世界でMETを来訪する…私ってまさしくファンの鑑だな。どんなに頑張っても蔑まれることが回避不可避な家庭で育ったので、たまには自分で自分を褒めてやらないとね。あっ、そんな訳でまだゲームの本筋は全然進んでないんだ。でも、今のところは大満足だよ

 

 

余談ですが…

数年前にリリースされた「夫」と「妻」と「その間男」としてそれぞれ1人ずつ3人のプレイヤーが相争い合うマルチプレイゲーム。どうもゲームに馴染みがない身としてはPCゲームはハードルが高いと感じていたものの、このたび意を決して新規登録&購入してみた…ら、そもそも私のchromebookには非対応だったっていう。もし私が小説家だったら、拙著の主人公の心情より何よりも、今の私の心情を述べて欲しい(40文字以内、配当5点)