最近ではそんな機会もとんとなくなって来たものの、もし誰かから「どの季節が一番好きなの?」って訊かれたら迷うことなく夏を挙げるよ

それは物心付いた頃から長きに亘って続く連綿たる嗜好で、これからも恐らくは変わることはないって思う。まさに三つ子の魂百までとは、よく言ったものだよね

 

 

その理由は、ごく特殊な場合を除いて、大抵は軽装が許されるからだ。私は関東圏内であれば凡そどんな寒空でも外套を必要としないのに、それが一人でない時には、例えば友人らに羽織りをせっつかれたり、我が母親に至っては「みっともない」との叱咤すらある

そんな煩わしさから束の間でも逃れられる夏のことを普段は離れていても必ず年に一度は舞い戻る包容力たくましい恋人のように(勝手に)思ってしまうのは無理からぬことだよね

 

 

この曲はとても不思議な曲で聴けば聴くほどに作り込まれた完成度に唸らされるのに、それが持つ伸び代は留まるところを知らないようだ。実際ここに貼付したオリジナル曲のみならずに、さまざまな編曲版がある。もしかしたら、その内のどれかを選ぶことだってあったかも。あるいは、今夜じゃなければ

相当迷わされたことは確かだよ。それでも一体どれだけの数に上るのかすらも分からないほどに夥しくあふれる玉石混交の中から、ふとこのリミックスを聴いた瞬間に運命を感じたら、あとはもう引き返せなかった。この前奏部にはたくさんの思い出があったし、どうせ同じサンチマンタリズムに浸るのなら、いっそ過去を思い返してみても悪くないかもって思ったんだ

 

 

それに相応しい季節でもあることだしね、もうすぐ夏がはじまるね