今日は清王朝の前身に当たる後金の始祖として名を残す愛新覚羅努爾哈赤の誕生日だそう。彼自身のルーツである女真族統一や八旗軍の整備などの功績を残し、その指導力とカリスマ性で名高いヌルハチに対して、何らかの親近感や憐憫を感じること自体おこがましい振る舞いだよね

 

時は下って、それから約400余年後。件のヌルハチの後裔として満洲人による王朝の末皇となり、現在の中国において庭師として生涯を閉じた愛新覚羅溥儀が2歳9ヶ月で即位したことを知らなければ、こうして清王朝や満洲国に対して興味を抱くことは確実になかった

 

 

まったく「何を言ってるか」は分からなくても「何を書いてあるか」なら分かるから字幕入りの動画は貴すぎる

 

 

この動画の最後に登場するヌルハチに続いた11人の皇帝に擬えて描かれた牡丹は、それが「花の王」と呼ばれたことから清国の国花だった由縁を持つ。歴代の支配者たちが愛でたとも言われるこの花は中国が原産で、数々の詩歌にも詠まれ文人にも親しまれてきた。そういえば実家の庭には中国から贈られてきた黄色い牡丹があって、毎年の初夏にはその存在感を否応なく発揮する。これまでに数多の美女がそれに喩えられてきたのも頷ける可憐で美しい花だ

 

何よりも牡丹はその散りようさえ潔く鮮やかだ。一般的に日本人は桜を愛でるのが好きとされ、その理由として「春の訪れを淡紅色で芳香も伴わず控えめに告げ、わずかに小さな花をつけた後に凛然と散る点に死生観の美学を垣間見る」からだと言われているようだ。個人的には牡丹ほど見目麗しい散り際もないように思う。奇しくも突然死が多かった清朝の歴代皇帝にこれほどふさわしい花もまたないだろう。その中で唯一闘いの最中に命を落としたヌルハチにとっては言わずもがな