実は最近またパソコンが壊れて買い替えたんだよね。だから、このブログと向き合うのが随分久し振りになってしまった。その間にさまざまなことがあって、時に笑って時には泣いて、つまりは歪んだ朝日や滲んだ月光を何度も見送った。そして、これを読んでいる方にはお気付きのとおりに、ほとんどブログの書き方は忘れてしまいました

 

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そうそう、我が子もすこぶる大きくなりました。まだ胎児の頃から『ドン・ジョヴァンニ』を観ている時によく動いていただけあって、まだ歩けもしないうちからオルゴールを回すことだけは出来た赤ちゃんは、今ではあらゆる楽器に興味が尽きない子どもとして、毎日You TubeやCDないしレコードに首ったけである

 

どうせなら、いつも聴いているお気に入りの曲を備忘録に収めたいと思ったんだ

 

毎日「観たい」とせがまれるこの動画。最初はピアノとバイオリンの演奏から、次いでトランペット、そしてフルート…と、次々に楽器が登場するのが面白いらしい。しかも、ご丁寧にも逐一それぞれの楽器名を教えてくれる親切設計な我が子である。この動画は確かに素晴らしいよ。でも、お母さんはベートーヴェンの「トルコ行進曲」の方が好きだな!!!!!!!!!!!!!!!!

 

先程のイーサンくん、なんと大人顔負けなピアノの腕前のみならず、まさかの歌と芝居もこなせるマルチプレイヤーであった。この子を見出したのもすごければ、この楽器のキャラクター性もすごい。つまりは、この動画をつくった人が単純にすごい。特に、このフルートなんか一見すると真面目な優等生なのに、実は冒険したがってたりするから。その見た目はおカタい金管なのに、実は内柔外剛型の木管楽器である属性を表してるようですごい

 

そんな我が子の朝起きてすぐの日課は、さにあろう電子ピアノの電源を入れること。そうしてデモ曲を流してくれるんだけど、そのたびに「いい曲!いい曲!」とこちらに強要を憚って止まない。私は5年もピアノを習っていたのにてんで弾けないながらも、当時の地元ではピアノ教育に力を入れている幼稚園に通っていたことから、この曲をそれなりに見栄えよく弾くことが出来る…はずなのに、「コレジャナイ。゚(゚´Д`゚)゚。」って泣き喚く我が子を見るだに、つくづく考えさせられるよ。音を愛でると書いて「音楽」って何なんだろうね

 

うわあ…すごいな。「何が」「どうすごい」って言えない自分の無力さが歯痒いよ。ただ一つ言えることがあるとしたら、こんなに魅力的な歌い方と声に出逢ったことがなかった。だって、そも合唱畑出身のフレーズ厨だよ。これまでの人生則からあまり誰かの声自体に惹かれたこともなければ、それが音楽を聴く動機になんて考えたことすらないような生活が当たり前だった

 

その悪しき習慣を変えてくれたこの動画には感謝しかないよ。誰が聴いても分かるよね、その歌声こそがすこぶるいいんだ。私が王子様なら命を助けてもらわなくても、その容姿が人魚じゃなく半魚人でも無条件で恋に落ちるよ

 

毎日毎晩数回にわたって聞かされる我が子にとっての大定番。当時の新大陸であったアメリカで書かかれ、しばしば黒人霊歌やドヴォルザーク自身も造詣が深かった機関車を主題に据えているといわれることもある、この『交響曲第9番』。なぜか我が子は「鮫!鮫!」と言って憚らないけど、もし自分が低予算が決定づけられてるでお馴染みのサメ映画の音楽を担当するとしたらこれを選ぶから、その感性は私譲りなのだなと感じるなどした

 

さまざまな動画があるのに、我が子のお気に入りは、このデュダメルによるローマ法王の御前演奏である。私がこの時のデュダメルだったら「いつも以上に髪の毛を揺らさなきゃ…!」って一種の強迫観念に駆られそう。実際にはどんな類の曇りさえ一点だってなくて眩しい。私がコンマスだったら直視することが出来ないがために即刻クビを言い渡されそう。まあ、そもそもコンマスになんかなれる訳ないけど。Fを鳴らすのがやっとだし

 

とある差し迫った理由からピカチューに興味を持たせることが好ましかった時期があったのだけれど、どんなアニメやCGを見せるよりもこの動画に首ったけになって、すぐに歌いながら踊ってたから、やっぱり芸術の力は偉大

 

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今は目下幼稚園選びがたけなわ。なんかさ、すべての子持ちの人はすごいよ。こんな煩雑な手続きを何度も難なくこなしてるんだからね。これから我が子はどんな音楽を好きになるだろう? それを考えるだけでさまざまな艱難を乗り越えることが出来るよ。いつだって未来は眩しいよ、いつだって直視し得ないほど