ところで、来季の各劇場のオペラ上演シーズンがそろそろ近付いてきたので、ここでも紹介したい。というよりも、ただそれに対して何やかや言いたいだけなのは、ご周知のとおり

 

「一応は…」と思って冗長な前置きを角煮は書いたものの、あまりの出来の悪さに「我が子を食らうサトゥルヌス」みたいな顔で全部消して今に至るよ。あっ、先達てまでの文章の間に誤字を見付けられた人いるかな? もしいたら、もう結婚だって出来ちゃいそうだって思ったけど、一方的過ぎたよね。ごめん、友達から始めよ?

 

各劇場に分けて紹介もとい贅弁を垂れるけども、この動画の出来映えが素晴らしいから、ぜひとも多くの人に観て欲しいんだ。もし誰か/何かを誉めたくなった時に身近に何もなかったら、これを観るか在りし日のマリウシュ・クヴィエチェンの歌声を聴けばいい

 

 

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来季のスカラ座の見どころは、やはりシーズン開幕作となる新制作の『ボリス・ゴドゥノフ』。恐らく誰もが「このロシアを代表する超大作をカスパー・ホルテンが手掛けたら、一体どうなるのか?」って期待に胸を膨らませているはず。しかも昨年に音楽監督として契約を延長したシャイーが指揮者であることは言わずもがな。その他に、こちらも新制作である『シチリア島の夕べの祈り』。個人的に最推しのアレッシオ・アルドゥイニは来年3月の『ラ・ボエーム』に出演予定だそう

 

"過去そして現在のオペラおよびバレエ作品の敷衍を使命とする"パリ国立オペラは、ここ数年の中でもさらに安定感がある布陣といった印象。同じくオペラ座バレエ団で舞台監督を務めたオーレリ・デュポンが退任に追い込まれた理由を鑑みるに、これはオペラ界においてもなかなかの功績と言えるのでは。現音楽監督であるデュダメル指揮による新演出の"Nixon in China"と、どうしてアルマヴィーヴァ伯爵に袖にされるか解せないことで作品を破綻させるほどの魅力でお馴染みのミア・パーションが出演する『フィガロの結婚』を翹首し仰望するとしよう

 

その総監督や楽長にお歴々があったことで知られるウィーン国立歌劇場。その中でも著名なマーラーの就任125周年を記念した今年のラインナップは、まさに彼に捧げることをコンセプトとしているとのこと。この記事内で紹介する歌劇場において唯一の『リゴレット』上演ではあるものの、自らが母親となった今なかなか鑑賞に耐える作品ではないので、どうにも肩透かしを食らったような感じ。もし楽しみにしているとすれば、これまでに一度もヒンデミットの『カルディアック』を全編観たことがないのだけれど、前述したような背景から作品との好相性が期待されるだけに初見が楽しみ

 

(自分がon Demand会員なこともあって)どうしても個人的な評価が高くなりがちなMET。というよりも個人的な評価が高いからこそ会員なのだと思うし、最も今日のオペラ界で影響力を持つ歌劇場と言えるかもしれない

 

何と言っても今歌劇場史上初の黒人作曲家となったテレンス・ブランチャードによる『チャンピオン』と、ピーター・マッテイによる『ドン・ジョヴァンニ』が見どころ。特に後者は来年のバイロイト音楽祭に登壇が発表されたことでも記憶に新しいナタリー・シュトゥッツマンの常任指揮デビュー作でもある上に、これまでHDにはなかったパリ国立オペラと共同制作の演出ということで、既に見どころ(聴きどころ)のダブつきがスゴい…!

 

今年で落成から175周年を迎えるスペインはバルセロナに位置するリセウ大劇場。あくまで私見のみで話すなら、ほかのどこでさえ、この歌劇場が背負う歴史には敵わないって思うよ。その数奇にして劇的な運命は、まさにここで上演されるオペラに勝るとも劣らないほど。まだ浅学な身ゆえ『三部作』はMET制作のHD版とlive stream版がすべてと言っても差し支えがないので、これらをアンブロジオ・マエストリで聴けるなんて、それだけで胸が高鳴る! 先述のウィーン国立歌劇場が初制作の"7 Deaths of Maria Callas"にも

 

 

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以上、各劇場における2022/2023のオペラ上演作品一覧でした。英国ロイヤル・オペラ・ハウスのラインナップも貼付したかったけれどもなかった

 

実は明日が誕生日だったりして、自分ではすっかり忘れてたら、夫から「何が欲しい?」って訊かれたんだけど…あたらクヴィエチェンを失った今は、特に何も。たとえビリオネア・ウォッカを飲んだとしても紙の味しかしないこと請け合いだからね