新年早々ノロ感染してしまって3が日を孤独に過ごした残念なブログがこちらです。こう書くとありえへん幸薄そうだな…いや、実際に薄いんだろうか…。かつて妊娠する前に同じ経験をした際に「これって出産より痛いんじゃね?」と思った腸蠕動の活発化は、やっぱり子どもを持った今でも「これって出産より痛いんじゃね?」って感想に変わりなかった。だって痛いものは痛いからね

 

そんな訳で腹痛に耐えながらまんじりとも動けずほかに出来ることもないので、早朝から深夜まで映画とドラマ祭でした。そして"Once Upon A Time"最終シーズンの、主人公カップルがミックステープを作成して渡し合う場面で「自分ならカセットテープにどの曲を録るか」って考えてしまった

 

もちろん好きな相手とミックステープを交換し合ったことはあるし、後年になるとお互いのデジタルプレイヤーを別れ際に渡して帰り道に聴いて帰宅してから「ああでもない」「こうでもない」なんか言い合うのは青春のひとコマとしてあった。それが妙に懐かしかったから、久し振りに「ミックステープ」を作ってみることにした

 

※個人的に重用していた60分収録テープを想定、なるべく当ブログにて既出の曲は避けました

 

 

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《A面》

前奏もリアーナの歌声もMVの完成度も全部いい。本来のタイトルは曲中で最も効果的に繰り返される"murderer"だったようなのに、その出発点からこの世界観を創り上げたクリエイター陣には本当に感謝しかないよ。恐らくは同名の映画に触発された結果なんだろうな、この間男役にオリヴィエ・マルティネス似を起用しているのとかも。この人はフォトグラファーおよびMVディレクター界隈からの借り物なので、どうりで演技が拙いのにも合点がいくってもの

 

もしミックステープを作るとしたら、それは個人的な経験則から言ってドライブが大いに関係するかも。そうだとして早朝からいきなり爆音を聴きながらの首都高じゃ嫌になっちゃうんじゃないかな。だから、こういう時に聴くべきふさわしいそれを選んだ。いつも小学校へ通う車の中で実母が流していた、個人的に思い入れの深い曲

 

この透き通るような爽快感のある起承とそれを裏切るちょっと消化不良な転結が好き。一般的には「『グレイズ・アナトミー』の挿入歌を歌ったバンド」というのが彼らに対する主たる評価らしいものの、その聴き応えは劇伴の範疇に収まってくれない。別に断言することに何の価値もないにしてもいいよ、もし彼らがいなければ絶対にFUNの"We Are Young"も生まれてないんだから

 

ここに貼付しているほかの曲たちと同様に、このミックステープに最新のトレンド曲は存在しない。彼らもご多分に漏れずそうで、そのバンド名を冠したこの曲の発表は今からおよそ10年前。その時代を象徴するようなサウンドでありながら、今聴いてもまったく色褪せない魅力に満ちてる。実際彼らのアルバムはどれも最高だ

 

ほぼ制限なんてあってないような現代と違って、このカセットテープには「時間」という制約がある。だから、どんなに素晴らしい曲でも時には取捨択一から漏れてしまうことがあり得るってことだ。その点でいえば、この曲はタイトルどおりに4分キッカリだから重宝する。誰かに手紙を書き終わってすぐにこのMVを再生すると、ちょうどマドンナが化粧室に駆け込むあたりでインクが乾くよ。そういう点でも重宝する

 

こういうことを言うとかつてのファンにはお叱りを受けそうだけれど、いわゆるバンドとしては断然(前フロントマンである)エリックがいた頃の方が好きだったよ。それに例の曲のMVによって狙いどおりに我が国の女性ファンとその人気を獲得したことは、彼らのバンド生命を結果的に早める遠因になったと思う。実は、彼らが掲げるパワーポップの代名詞になり得る実力だってあったのに

 

このミックステープを作ろうとしてから、この曲は50回ほど選曲の候補から外れた。だのに、そのたびに蘇らせざるを得ないのは、どうしてもほかに代わりの利かない至上のお気に入りだからだ。かつてE♭で売れなかった曲ってあるんだろうか。そんな疑問を抱かざるを得ないほどに抗いがたい美点を振りまいて止まない曲だ。すべての名曲は旋律と歌詞のマリアージュによって成立しているって再認識させられる

 

これらの中では確かに異質な存在かも。だからこそ手離せそうにない、だってA面の最後はこのオペラで最も好きな第一幕の幕引きで絶対に飾ろうって決めてた。その中であえてこの動画を選んだのは、なにも推しが歌っているからって訳じゃなく、ただ単純にこの場面を切り取った動画にほかに思い当たる節がなかったからだ。こういうのって大事なんだ、いわゆるラフ3だって第3楽章だけを抜き出すなら第2楽章の最後らへんから聴きたいって思うみたいに

 

《B面》

彼らだってかつては前述したようなパワーポップの代名詞になり得る存在だった。それから時が下ってその主戦場はEDMとなり、今となっては音楽性はベッドルームとダンスフロアほどに遠く離れている。どちらのことも好ましく思うよ、どうでもいい所感としてクイーン映画化の第一報を目にした時に個人的に真っ先に思い浮かべたのはこのジーンPだった。今でもまだあの映画を観られていないよ

 

そんな妄想にさえも浸らせてくれるQueen、いつでもどこへ行ってもその音楽はこの心の中にあって思い出すだけで勇気もやさしさも与えてくれる。これまでにもさまざまな道を開いてくれたし、時には鼓舞し時には寄り添ってもくれた。彼らに何度助けられただろう、そんな感謝を抱いているのは私だけじゃないはずだ。今でもフレディが生きてたらって思う、だからこんなのはずるいよ…

 

皆大好きレゲトン。もし大好きじゃない人はさっさとこっち側に流されちまいな、今後は手を組もう。いわゆるクラブ音楽を牽引する存在たる彼にとっては、一般の音楽チャートを賑わせるような代表曲でさえも自在そのものなのかも。個人的には、彼を著名にした"Gasolina"を聴く機会が多かったけれど、それはほぼいい思い出じゃない思い出

 

以前にも貼付した曲だったかも、だって彼女のことが大好きだからしょうがないよね。それに何度観たって素晴らしいものは素晴らしいんだ、これもしょうがない。普通に考えて「容姿端麗」「IQ200の才媛」「優れたシンガーソングライターで歌声にも恵まれている」って設定盛りすぎだよね。いわゆる小説や映画ならまず間違いなくボツにされる存在と同じ時代を生きてるよ、やったね!

 

誰しも人生の中でタイラ・バンクスを愛する時期があると思うのだけど、私にとってはまさにこの映画が公開された頃がそれに当たっていたので大興奮しながら観たよ。それで、ご存知のように結果は撃沈。今でもこの映画に対しては愛憎が尽きないって人々の群れの中にまだいる。この曲を知ることが出来たのは怪我の功名と言えるかな、皆が愛する曲調は無論として聴き落としがちな歌詞もお気に入り

 

この動画の冒頭のさ、彼女の表情を爪先から捉えるカメラの動きが永遠に続くかと思った。それくらいに脚が長い。こんな艶めかしい美女を形骸だけでも拒否できるホセのすごさよ。彼女の登場時に男たちが息を呑む場面では、私達視聴者はその息遣いに重ならざるを得ないほど同調もする。さまざまなカルメンを観ている、彼女は最も理想的なそれのひとつだ

 

ここに挙げた中でディズニーに関連する曲がこれしかないなんて妙な気分だな。この旋律を待ちながらジェラートを堪能した日々のことが懐かしいよ。前職に従事していた際にいつも仕事に対する悦びを噛み締めつつ、これを聴きながら出勤してた。彼のことは別に好きでも嫌いでもない、今までに聴いた中で最もオーケストレーションが素敵で、かつ音質も優れているように思えたから

 

この世にシェーンフィールドを嫌いな人がいるのは抗いようのない事実だ。誰の耳朶にも馴染みのいい曲を紡ぐ、そういう類の作曲家もいる。けだし、そうじゃないから彼を愛している。この動画は見事だね、だってこの曲を聴くたびにいつもそこには場末のカフェの風景が広がって余すところのなく情緒を掻き立てる。この曲を好まない人とも体を重ねられる、でも一緒にドライブするのは無理だな

 

 

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折角新しい年を迎えたと思った矢先のノロ感染、ほかにも公私にわたって問題が山積みでいろいろうまく行ってない。こんな時って先人はどうしてたんだろう。ただ「普通に生きる」とか「普通に暮らす」っていう、そういうのを実現するのも立派な才能だなって思うよ

 

皆思うことなんだろうけれど自分が世界で一番だめな気がする。でも、それって事実かもって思ったりする