今絶賛ハマっているものがあります。こんなアビス・マルも真っ青の二頭身が言うのもおこがましいのですけど『美少女戦士セーラームーン』のミュージカルです。まだ小学生の頃に初代を観て以来、実に数十年振りに観直して、そこからシリーズを追い続けて、今ようやく最新作まで来ました

 

すべて映像とはいかなかったので一部は音源のみで鑑賞した結果として、個人的に「セーラームーン」としての打点が高いのは3代目を務めた神戸みゆきちゃんかな。全体を通してキャストのレベルが安定しているのは断然ネルケプランニング版だと思う。それでもちょっと何言ってるか分かんない時あるし、肝心の歌に限ってはどちゃくそ下手くそだけども…あのタニが歌うまにカウントされちゃうというまさかの奇跡をこの人生で目撃する日が来るとは…

 

「あの」タニさんの伝説のパレード集。実話か不明ながらユリちゃんが『ミー&マイ』の新人公演にタニを推されて断ったのは宝塚ファンの間では有名な話だったりする

 

ほとんど日本のミュージカル界に期待を抱いていないこの身をしてさえ、まるで膝から崩折れさせられるような歌唱力ではあるものの、それでいいんだよ。だって、大抵の人は練習すればするだけ、ある程度までは歌なんていくらだって上手くなる。しかしながら、あの漫画やアニメから飛び出して来たような外見上の可愛らしさや完璧な均整は、それを持ち得ない者にとっては逆立ちしても手に入らない憧憬の存在だからね

 

それこそが一般人には手の届かない正義の味方に相応しい魅力だ。まさに「かわいいは正義」だね

 

そう言っても最も多く観ているのは初代のセラミュで、その劇中歌はほとんどまだ覚えてるんじゃないかな。その中でもこれは何度となく繰り返し聴いてきたお気に入りだ。いまだにそのアインザッツに触れるだけで胸が苦しくなるほどに

 

いわゆる大きなお友達から一身に人気を集めた亜美ちゃん。私も好きだな、こうした一見弱そうに見えるのに芯が強い人物像を嫌いな人はいないと思う。『風と共に去りぬ』のメラニー・ハミルトンしかり、『カルメン』のミカエラしかり

 

えっ、いやいや、なにこれかわいすぎですかよ? むしろ小賢しく歌われるよりもこうして生来の魅力を弾けさせる方が幾倍も美しく尊いよ。そして、それこそが美少女戦士を名乗るに相応しいアイドルとしての使命でもあるんだ

 

うわあ、ちょっと言葉にならないな。それくらいに可愛さが過ぎる。この舞台に立つまでの間と、そして板についている間にも、けだし努力も大変なこともたくさんあったはず。すべてを笑顔の下に隠して微笑むことが出来ることこそ、その才能に傅かれた証なんだね

 

これまでの人生で頑張った経験がないので、この歌詞の「人智を超えた意志」のことを知らない。でも、その存在を信じたくなる説得力を宿しているよね。いや、実際に彼女たちはそれを秘している。だからこそ、こんなにも美しく輝くんだ

 

 

そういえば、我が子を妊娠するまで働いていた職場の仲間とセーラームーンを結成していたのよ。その活動内容は、主に社食でうどんを食べることでした。何それ。一見ふざけているようだけれども、これがなかなかそれぞれの個性に合っていて、みんな結構ノリ気で付き合ってくれてた。ちなみに、私はセーラープルートでした

 

誰しも各々の人生のおいて解き放たれ得ない呪いがある、私は褐色の美女を見たら最後この視線を奪われるよりほかに道がないんだ。そのセーラー戦士のみならず登場人物の数だけ、それぞれの耽溺者を歓んで迎える沼がある作品だ。もし教養としてこの界隈に近付くことを試みる者は覚悟するがよろしい、その設定に呆気にとられたその次の瞬間にはもう心奪われているに違いないから