腎臓の一つを姉に譲り、孤児を育て、その子が日本に行ったことがある母親に「日本のサッカーをやってるから見においでよ」というのを嬉しそうに語り、虚弱体質と言ってもいいような体でごみ組成を一生懸命やって病気になったり、4年前から菜食主義に変えたのだけれど、息子には将来のために肉食を維持している、そんな仏のような彼女から食事のお誘いがありました。
もし、払いをシェアできるなら喜んでと返事を出したのですが、決して譲りません。
たぶん、日本研修に行ったとき世話になった女性が来ているので、そのお礼に誘ったのだと思いますが、小さい企業の事務員ですから、裕福なわけがありません。
彼女の収入がどうであるかは別にしても、日本人を4人誘い、若い後輩女性1人も誘い、総勢6人分を一人で払うというのは日本の常識にもありません。
どうしようか。若い彼は、「こっそり見えないところで払ってしまったらどうでしょうか」といいます。
一方、ベテランの若い女性(多少の矛盾がある表現ですが)は、「これはもう、一生懸命楽しむしかないのではないですか」といいます。
それは確かだなあということで、
こんなことをしたり、
こんなことをしたり、
こんなことをしたり、
こんなこともして、楽しく過ごしました。
帰り、呼んでくれた彼女は、反対方向にタクシーで帰り、
彼女の後輩の若い女性は私と同じ方向だったので、タクシーを同乗するように誘いました。
あちらは上側で私は下側の道が近いのですが、せめてタクシー代を負担したいので無理に誘いました。
大通りのそのあたりに着いた時、彼女はここで降りると言いましたが、どうやらそこからまだ距離がありそうだったので、家の近くまで行って、その後は地理が分かるので自分でホテルまでタクシーを誘導することができるから、と無理に言って彼女の家族が住む家の前まで行ったのですが、彼女が降りるといった場所から遠いこと。ひょっとするとあそこから降りて、またタクシーを拾うつもりだったのではないかと思ったくらいです。そこまでのタクシー代も、彼女は払うと言ってきかなかったのですが、こちらも必死で拒否しました。
ホテルに帰る道すがら、
「ブータンの人たちってなんだろう」
ともちろん思いましたが、
「日本人ってなんだろう」
オレたちの普段の価値観はいったい何だろうとそんなことを思いながら、
ずっしりと重い気持ちで帰り着きました。




