30年程前に厚生省で廃棄物行政のトップを張っていた故小林康彦氏にこんなことを聞いたことがあります。もう10数年程前のことです。
「今は国をあげて廃棄物のリサイクルに取り組むようになったのだから、環境省とか経済産業省とかいう垣根をなくして一体となって取り組んでいのではないでしょうか」
まあ、屁理屈のような、斜に構えた言い方だったのですが、氏は言下に、
「それはダメです」
と強く言いました。反論を許さない強い言い方でした。
環境行政というのは歯止めをかけるための存在なのだから、しっかりとした垣根を作っておかなければ役割を果たせないのだということだろうと理解し、以降その言葉を肝に銘じてきました。
今回の復興大臣の発言を聞いたとき、氏の言葉を思い出しました。
特に福島県のケースは、従来の脇を固めないまま経済成長を進めてきたツケが大きな不幸を招いたわけですから、復興大臣や環境大臣は経済成長を第一とする国の姿勢とは反対する立場でなければいけないと思いますし、少なくとも原発は作るべきではないという強い意志を持った、政府の中では異端の人であるべき思うのですが、今の安部1強の時代でそれは望むべくもありません。
被災地を復興するということではなく被災地という傷が見えないようにすることが、今の体制の中では、彼の第一の役割であるはずですから、だからああいう発言が出ることは、当たり前に考えられることで、政治家としての彼の罪はただ単に口を滑らせただけというというです。
つまり、彼の発言を産んだのは、支持率50%を作った国民そのものだということです。
なんとかならないのだろうか。