親兄弟が東軍・西軍に分かれて戦うという場面を見て、20年前のダイオキシン騒動を思い出しました。工事車の搬入を阻止するために用地の入り口に身を横たえる人、それを数人がかりで排除しようとする人々、そういった光景がたびたびテレビで放映されました。ある地域では、自治会が建設反対派と賛成派に分かれ、同じ家でも親と子では所属している自治会が異なる所もできたそうです。また、ある地域では、先祖代々の土地を建設用地として売る売らないで兄弟同士が激しく対立し、一方は自分の譲り受けた土地を手放したのに、一方は頑として譲らず、結局用地の一部にポッカリと空白部分を残したまま建設が進みました。そして、建設も半ばを過ぎた頃、土地を売った方が亡くなりました。喧嘩したまま兄弟に先立たれてしまった方は、そのことを激しく悔いて「供養のために」と遂に土地を手放したということでした。このことを話してくれた自治体の担当者は、「ちょうどこのあたりでしたよ」と、その一角を指さしながら、心なしか涙ぐんでいるように見えました。