今は多くの家族が同じ家に住んでいるのですが、何年か前に妻と私だけになった時期がありました。家を建てた時に書斎を持つ余裕はなかったのですが、一応書斎コーナーというのは設けたました。しかし、時が経つとそこに留まるのに飽きてしまって、がら空きの家の中を転々としました。畳の部屋に座卓や炬燵をを据えて過ごした時期もありますが、娘が結婚するときに先方の親を迎えなければいけないということで、追い出されました。娘が結婚していた間は娘の部屋に移りました。引出しの中を見たりしないということを条件に、机も使わせてもらいました。夜遅くその机に座っていると、なんだか年頃だった娘の気持ちが分かるような気がしました。
「あちらの人たち」
なんですね。親が住んでいる隣りの部屋が。
娘がいたその部屋が、とても孤独な空間に思えました。
その部屋も、今は、娘に追い出され、昔の書斎コーナーで一日の大半を過ごしています。
親子の間に多少の隙間風を感じるようになったら、部屋を交換してみるのも、一つの手なのかもしれません。