誰に罪があるわけでもないのですが、パック旅行というのはストレスがたまります。とりあえず、観光案内書の1ページ目、2ページ目にある場所をササッとまわり、「さあ写真を撮ってください」というような走り方です。写真なら、プロが撮った素晴らしい写真が手元にあるんですがね。一番のストレスは、その国の人とほとんど接することができないことです。接したのは、ガイドさんと土産物屋の店員だけです。これでは、その国を知ったことにならない、、、、と思うのは私だけのようで、多くの人たちは観光案内書に書いてあるとおりかどうかを確認するだけで満喫できているようでした。ツアーオタクと言ってもいいような方々も多く、「どこへ行って、何をみた」ということを競って話しますが、感想といえば「よかった」ということだけで、どのように良かったのか、何を感じたのかということまでは出てきません。それは仕方のないことです。感じる間もなく次に移るのですから。私は、こういう旅行を「帳面消しツアー」と呼びたいと思うのですが、いや、朝のバイキング、昼・夜のコース料理が律儀に出てきて、腹は減っていないのにとりあえずは食べなくてはいけない、ということを考えると、「ブロイラーツアー」と言ってもいいかもしれません。まあ、このツアー形態が私には合わないということだけのことですが。
スマートな容姿、洒脱な日本語を駆使するハノイのガイド氏。日本に行ったことがないというのに、流行語もふんだんに織り交ぜる。どこで勉強したのやら、と外国語に腰が引ける日本人に吐息をつかせる。それでも、ガイドはほんの片手間の仕事なのだという。定職にこだわる日本人には理解しがたいバイタリティーだった。
