そこで銀龍はヤミに試練での出来事を話すことにした。
「あの・・・、ヤミさん・・。」
「どうしましたか?」
「オレ・・・、試練の時、もう一人のオレが強すぎて・・・もうダメかと思ったんです。」
「ほう・・。」
「その時、オレの頭の中で声が聞こえたんです・・。『目覚めよ』って・・・。」
それを聞いてヤミの顔が少し険しくなった。
「その声がきっかけで急に力が溢れてきて・・・、気がついたら・・・。」
ここでヤミが思わぬ発言をする。
「やはり・・・、貴方には聞こえたんですね。」
「え?」
ヤミの思わぬ反応に驚く銀龍。
「貴方の試練は一部始終見ていました。ですが、劣勢だった貴方が急に力を増した理由がわからずにいました。しかし、今の言葉を聞いて確信しました。やはり貴方は・・・、あのお方の子孫ですね?」
「あの・・・お方・・・?」
銀龍には心当たりがあるわけでは無く、ただ戸惑うばかりだった。
「あのお方というのは、その大昔、世界を混沌で埋め尽くそうと目論んでいた『混沌の化身』を倒し、世界に平和をもたらせた勇者の事です。あのお方も、貴方と同じ『マジーロ』の出身だったのです。貴方の出身地を聞いてもしやとは思ってましたが、やはり私の思ってた通りでした。」
ヤミの話によると、銀龍は大昔に世界を混沌の危機に貶めた『混沌の化身』を倒した勇者の子孫だと言うのだ。
「オレが・・・、勇者の子孫・・・?」
初めて聞かされる事実に銀龍は驚く。
銀龍が勇者の子孫ということにも一同は驚いたが、一つ気になるところがあった。
「ところでヤミさん、勇者のことを”あのお方”って呼ぶってことは、もしかして知り合い?」
話を聞いていて気になったことを愛乃が尋ねる。
「はい。・・と言っても、私の先祖がその昔、勇者に試練を与えたことがあるのです。」
勇者は昔、今の銀龍と同じように闇の試練を受けていたと言うのだ。