落ち着かない人々 | 臨床心理士の今日の一言

臨床心理士の今日の一言

~パークサイド広尾レディスクリニックのカウンセラーより~

電車に乗った時、隣にいる人の

態度や行動が気になり、どっと

疲れてしまうことがある。


たとえば、隣に座っている人が

落ち着かない感じで髪や顔を手で

触り続けている行動が気になり、

イライラしてしまう。


また、おじさんなどの体臭や口臭が

気になり、うんざりしてしまう。


何度さりげなく肘鉄しても、構わず

何度ももたれかかってくる爆睡して

上半身揺れ続ける人に腹立ち、

溜め息をついてしまう。


立っていると、やたら動作の大きい

人に荷物や腕をぶつけられ、思わず

眉間にしわ寄せてムッとしてしまう。


ヘッドホンから、耳障りな大きな音が

もれているのに平気な顔をしてる人を

横目に、何も言えず心の中の眼で

睨んでしまう。


あなたにも似たような経験があり

ますか?私が上記のような気分に

なってしまう時は、大抵自分自身が

イライラの元を抱えていたりして、

調子悪い時が多いように思う。


泥のように疲れている時は、周囲の

こともどうでもいいくらい、自分自身が

座ったら爆睡、立っている時も朦朧

状態だったりして、むしろ関心は

自分の内側の泥のような感覚の方に

入り込んでいる。


しかし、そこまではいかない疲れの時や

疲れがピリピリ覚醒の方に出ている時は、

自分の外側の世界が気になってくる。

外側の不快な状況・環境が即自分の

不快さにつながり苦しくなる。ピリピリ感

が増す。


そういう時は、電車でたとえ素敵な人が

いても、不快な刺激ばかりが目につき、

そのことによって不快になっている自分の

内側ばかりに、注意関心がいっている

悲しい状態。


もともとの疲れが、不快刺激を敏感

に拾ってしまい、それに対する思考

自体が、不快な考え方にとらわれて

しまう。不快な考え方をしていると、

ますます不快刺激を拾いそれに反応し、

余計に疲れるという悪循環が起こる。


そういう時、「ああ自分は疲れてるんだな」

と身をもって気づく。そういう時は、今日は

早く寝ようとか、今度の休みはこういうふう

に過ごそうとか、自分の生活のマネジメント

を見直し、元気になる生活の工夫をしよう。


元気になり、心身に余裕が出てくると、

外でも不快な状況に遭遇する頻度は

減ってくる。


自分の調子がよくて機嫌がいいと、

機嫌のいい人に出会う頻度が高くなるし、

気持ちよい時間が増える。


内側と外側はそんなふうにできている

らしい。落ち着かない人々に出会う

自分自身が一番落ち着かない人で

あったりするのだろう。


穏やかな人達にかこまれていると、また

自分自身のこころも穏やかになる。

おたがいさま、おかげさまの世の中。


不快な状況に遭遇しても、自分の心が

ぶれず、元気でいたら、その場の雰囲気

も自然に余裕のあるものに変容している

かもしれない。





ニコニコパークサイド広尾レディスクリニック内

PS広尾レディスカウンセリングルームヒマワリ