アイスランド・ヘットリスヘイディ地熱発電所の視察映像 | 六本木から世界へ ~石田和靖の世界を見る目~

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前回の記事でお伝えしました、6/13に行われた「東京証券取引所:震災復興支援チャリティ・セミナー」の中で、アイスランド・レイキャビクエナジー社が運営する「ヘットリスヘイディ地熱発電所」のお話をしました。

その後、「ヘットリスヘイディ地熱発電所をもう少し詳しく教えてください。」というメールを何通かいただいたので、今日はそのお話を少し。


私は今からちょうど3年前。2008年の6月にアイスランドへ飛びました。北極圏にかかる国、地の果ての国、アイスランドへ、ドアトゥドアでちょうど24時間もかけて行ってきました。

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※首都レイキャビク郊外にあるアイスランドの玄関口、ケフラヴィーク国際空港

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※デンマークのコペンハーゲンから、アイスランド航空に乗って行きました。

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※ケフラヴィーク国際空港からレイキャビク市内への道のり。バスでおよそ1時間弱。


◆アイスランドという国家が何を目指しているのか?
◆アイスランドの企業が今後どれほど成長する可能性があるのか?


そんなことを考えながら行きました。


アイスランドは「氷と火の国」です。島の中心部は、氷河と火山で覆われています。もちろん人は住めません。人が住める地域は、一部の沿岸部のみとなっています。

◆氷河は「大量の雪解け水」を作り、
◆火山は「大量の高熱水蒸気」を作ります。


アイスランドはこの2つを主要エネルギーとして利用しており、国家の電力供給は、水力発電と地熱発電というクリーンエネルギーで、なんと必要電力量の100%近くを供給しています。

私はレイキャビクエナジー社が運営する地熱発電所に行ってきました。ここは、ヘットリスヘイディ地熱発電所(Hellisheidi Geothermal Plant)

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【地熱発電の仕組み】を簡単に説明しますと・・・、

「地下から湧き出るマグマの力によって、ぐつぐつと高熱の水蒸気が大量に噴出し、その水蒸気のパワーによってタービンを回し、電力や温水を供給するというもの」

モクモクと湧き上がるその水蒸気の量はハンパじゃなく、十数キロ離れたところから見てもかなり目立つほどです。アイスランドは、他のEU諸国でさえも一目おいて尊い眼差しを送る、世界最先端の環境エネルギー国家です。京都議定書による温室効果ガス排出枠はプラス10%という、なんとも優秀な数字です(ちなみに日本はマイナス6%削減)。

そんなアイスランドという国は、自家用車やバス、船舶なども、ガソリンから水素燃料電池化へ徐々にシフトしており、2030年までに化石燃料(石油や石炭)の使用量を0%にするという国家目標に向かって動いています。

そのような環境政策の目玉となる、レイキャビクエナジー社の地熱発電所。色々と中を見学してたくさんの説明を聞いてきたのですが、「なんとまぁ、日本製の技術の多いこと!!」 タービンや蓄電池、プラズマパネル・・・などなど、様々な部品に、とにかく日本の三菱重工や東芝などのロゴマークをよく見かけました。

そしてこの発電所には、世界中の政府・企業のトップが毎日のように視察に来るといいます。

【石油を必要としない国が、どんなことを試みているのか?】それは、いま世界中が知りたがっていることでしょう。いま世界レベルで重要課題となっている 「地球温暖化問題」。そして、「脱原発」という流れの中から新たな電力供給のモデル。

その問題に真正面から取り組み、常に新しいことに果敢にチャレンジしている実験国家アイスランドは、日本も非常に見習うべきところが多いのではないかと。アイスランドも日本と同じ、漁業大国、石油輸入国、火山国、そして海に囲まれた島国なのです。(以下の動画もぜひご覧ください)

【アイスランド視察レポート1】ヘットリスヘイディ地熱発電所
現地の動画を見ながらのアイスランドについて語ります。国家破綻してしまったアイスランドにもはや望みはないのだろうか?アイスランドが世界に先駆けて、発展している環境エネルギー分野。その中のヘットリスヘイディ地熱発電所を見学してきました。
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【アイスランド視察レポート2】火と氷の国アイスランド上空より
小型セスナ機をチャーターし、火と氷の国アイスランド上空を空中散歩してきました。氷河は「大量の雪解け水」を作り、火山は「大量の高熱水蒸気」を作り、この国ならではの天然資源が無数に活動しています。再生エネルギーの力をとくとご覧あれ。
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また、「アルミニウム精錬」というビジネスは非常に電力を消費する商売で、「いかに電力コストの安い地域で精錬できるか?」が、ひとつのポイントです。電力の安いアイスランドという国では、アルミニウム企業の誘致に注力し、「欧州のアルミニウム精錬ハブ」を目指しています。

ものすごい勢いでアルミニウム精錬を拡大しているアイスランドですが、この国は、再生可能エネルギー(地熱・水力発電)を用いたアルミ精錬やフェロシリコン(鉄鋼原料)生産が盛んです。

現在、すべてのアルミ精錬施設がフル稼働していますが、国内4番目の精錬所をレイキャビク郊外のケフラヴィーク国際空港近辺に建設中。そちらは2012年に稼動開始予定だそうです。

アルミニウムは金属の中では軽量であるために利用しやすく、また、軟らかくて展性も高いなど加工し易い性質を持っているため、缶、鍋、アルミサッシ、エクステリア、建築物の外壁、道路標識・・・など、非常に様々な用途に使用されています。また、超軽量であることから、電車などでアルミ車体が用いられたり、一部では自動車や航空機の材料としても使われています。

日本という国が、今後どういう方向に向かうべきなのか?環境エネルギー先進国に大きなヒントが隠されていると思います。

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※アイスランドは氷河が溶けて大きな滝に。アイスランドの巨大な滝のひとつ「グトルフォス」
⇒アイスランドの滝(wikipedia)


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