アメリカAP通信9/1

気候変動は、非常に敏感なカカオ豆が育つ熱帯雨林に負担をかけています。

そのため、科学者や起業家たちは、北カリフォルニアからイスラエルに至るまで、熱帯地方をはるかに超えてより多くのカカオを生産する方法を研究しています

 植物細胞培養会社California Culturedは、カリフォルニア州ウエストサクラメントの施設で細胞培養からカカオを栽培しており、来年には製品の販売を開始する予定です。この方法だと、従来の収穫には6~8カ月かかるところを1週間で成熟させるといいます。このプロセスでは、以前ほど大量の水や重労働も必要なくなるといいます。

 アメリカ菓子協会によると、チョコレートの市場は巨大で、アメリカでの売上高は2023年に約3兆6千億円を超えています。多くの起業家は、カカオの供給よりも需要の伸びが速いと見込んでいます。企業は、細胞ベースのカカオで供給を増強するか、オート麦からイナゴマメまでさまざまな製品を焙煎して風味付けし、チップやフィリングにチョコレート風味を出す代替品を提供することを検討しているのです。

 ドイツのPlanet A Foods は、量販チョコレートの味は主に製造過程の発酵と焙煎によるもので、カカオ豆自体によるものではないと考えています。ドイツのPlanet A Foods はオリーブから海藻までさまざまな材料を試し、最もおいしいチョコレートの代替品としてオート麦とヒマワリの種のミックスを選び彼らはそれを「ChoViva」と名付け、焼き菓子に代用できるといいます

 イスラエルでは、カカオの供給拡大に向けた取り組みも行われています。Celleste Bio社はカカオ豆の細胞を採取し、室内で栽培してココアパウダーとココアバターを生産しています。Celleste Bio社は数年後には気候変動や病気の影響に左右されずにココアを生産できるようになると予想しており、この取り組みはキャドバリーチョコレートのメーカーである世界的ブランドMondelezの関心を集めています