イミナ(諱)ってご存じですか?
イミナ(諱、忌み名)とは、親や主君しか言葉にできない名前です。
元々死後に生前の名前で呼ぶことを忌み謹んだことから、遡って生前も人前で呼ばれるべきでない名前をイミナと言うようになったそうです。
逆にアザナ(字)は、通称、普通に呼ばれる名前です。
実は、これまでの先祖調査を通して見つかった遠きご先祖、ちょうど我が家の5代前の祖父の従兄に、イミナとアザナがあることがわかりました。
それは、先日、遠い親戚をお伺いし、お位牌を見せていただいたとき、5代前の祖父の従兄、7代前の祖父の孫にあたる善蔵さん、
なんとそのお位牌には、「伊藤濱造父善蔵字名義勝」とありました。
墓碑にも、お寺の過去帳にも出ているのは、「善蔵」という名前。これが通称、字名だと思っていました。
ところが、お位牌には”字名義勝”と。
もしかすると、忌み名と字名の置き替えかもしれません。
このお位牌に従うと本名は義勝で、親にのみ許された呼び名が善蔵さんと。
とにかく、「義勝」という名前がありました。
これが何を意味するのかは不明です。
農民にも忌み名と字名があったのでしょうか。
ちなみに我が五代前祖父は、
棟付帳に幼名「菊之助」、
墓碑とお位牌には元服後の字名と思われる「吉左衛門」、
亡くなった後の明治の戸籍には「亡父 菊次」
(明治19年式戸籍からですが、おそらくその前の壬申戸籍からの引用)
とありました。
この中でのイミナはおそらく「菊次」が相当するんでしょうが、法律のために亡くなった後に初めて出てくる名前です。
曽祖父はお位牌に、「九郎衛門」「九郎次」の二つの名前があります。
これは、江戸末期に生まれ、明治になったあとではあるがしきたりに従い親が与えた元服名が「九郎衛門」で、明治の法令で”衛門”が使えなくなった後、親父にしたがって次を使って九郎次にしたと。
つい100年前くらいのご先祖は名前をいくつも持っていたんですね。
でも善蔵さんの「義勝」って武士っぽい名前ですよね。
何か意味があるのかと思ってしまいます。うんうん。