AVC-X8500Hを購入した当初、AVR-A100との音を純粋に比較する為、スピーカーレイアウトは
そのままに、アンプのみを入れ替え、サラウンドバックSPを加えた7.1chにて「TOTO」のライブ盤
(DTS-HD音源)をディスクリート再生してみました。
AVC-X8500Hは現状、デノンのフラッグシップモデルですし、当然、A100との(音質の)格差は
歴然としたものになるだろうと半分期待を込めてのテストだったのですが、これが予想外の結果
で、意外にも”大きな差”を感じる事が出来ませんでした。(汗)
勿論、解像度や音のキレ、聴感上のSNは圧倒的にX8500Hの方が優れており、物量投入された
分だけの性能差がある事は確かなのですが、”音質の好き嫌い”という部分においてはA100の
方が”アナログテイスト”で私好みの音なのです。
これが切欠で後日、サラウンドスピーカーを見直したり、セッティングを変更したりする事になる
のですが、とにかくこの時に受けた精神的ショックは相当なものでしたね。(笑)
AVC-X8500HとAVR-A100との比較についてはまた別の記事でアップしたいと思いますが、改めて
A100の造り込みの良さを実感させられた出来事でした。
参考までにAVR-A100について簡単に触れておきますと、デノンの創立100周年を記念して限定
販売された「A100」シリーズのAVアンプ版という位置付けになります。
当時、最新モデルであったAVR-4311がそのベースになっていて、スペック自体の差はないものの、
A100シリーズ専用に開発された電解コンデンサの採用で、より2chソース向けの音質チューンが
施されていました。
つまり、音楽CDをそこそこ心地よく聴けるように設計されたピュアオーディオ志向のAVアンプという
事になりますが、確かに従来からの低重心で量感たっぷりなデノンサウンドはそのままに、更に
”キレと濃厚さ”を付加させた”アナログテイストな音”に仕上がっているという印象を強く感じました。
もっとも、真空管アンプの”リアルな音”を知ってしまうと、例え数百万円するようなハイエンドピュア
アンプであっても、トランジスタアンプに”音のリアリティ”を全く感じませんので、ここはあまり重要な
要素ではなかったのですが、結果的に音楽ソース寄りに振ったチューニングのお蔭で、5.1ch再生
における音の表現力も大幅にブラッシュアップされ、より濃厚でシームレスなサラウンド空間を堪能
出来るような仕様になっていました。
当時、いろんなAVアンプを比較試聴した中、サラウンド空間の表現力はA100がダントツに良かっ
た事を覚えています。
AVR-A100は市場での流通量が少なかったせいか、音質に関するまともなインプレ記事を見かけた
事がありませんが、製造から8年が経過した今でも音の良さには特出するのもがあります。
フロアスピーカーのみのレイアウトで5.1chソースをディスクリート再生するのであれば、現行
のAVC-X6400Hと比較しても決して引けをとらないような実力を持っているものと思っています。