AVアンプをAVR-A100に買い換えてすぐにフロントハイトSPを導入し、念願だったドルビー
プロロジックⅡz(以下PLⅡz)による9.1chシステムを構築したのですが、その効果は予想
外にも自分が求めてようなものではありませんでした。
一応、ここでは自分が使用しているデノン製AVアンプAVR-A100を使用している中で感じ
た事を書いていますが、他社製アンプではまた印象が異なるかもしれませんので、その旨
ご了承下さい。
前回の記事にも書いていますが、サラウンドバックSPのみの7.1ch再生では、どうしても
リア廻りの空間だけがリッチになり、フロントハイ及びサイドの空間は寂しい感じになって
しまいます。
イメージ的にはフロントSPからリアのサラウンドSPに向かって、空間が徐々に上昇してくる
ようなステージングですが、この空間の偏りを解消するのがフロントハイトSPを追加した
ドルビーPLⅡzモードだろうと自分の中で勝手に解釈していました。
しかし、実際のPLⅡzモードでは今度はフロント側の空間ばかりがリッチになってしまい、
逆にリア側は希薄になってしまいます。
それにフロント前面に音が展開してしまう感じで、ステージングは割と平面的です。
特に空間表現が非常に気持ちいいDTS-HDMasterフォーマットでは包まれ感が一気に
減退してしまうので、個人的にはここが一番気に入らない部分でした。
一方、ドルビーTrueHDの場合、縦方向に空間が展開するせいか、DTS-HDMasterの時
のような違和感をあまり感じません。
この辺りは同じドルビー社のフォーマットだからという事もあるのでしょうかね?
結論から言ってしまいますと、私の場合、ドルビーPLⅡzモードは完全に排他利用してい
る状況でして、使用頻度としてはかなり少ないです。
では、どういう場合にドルビーPLⅡzモードにするかと言いますと、100インチ・スクリーン
ではなく、50インチのプラズマディスプイで映画を観る場合と、音声フォーマットがドルビ
ーTrueHDの場合です。
ホームシアターでは、絵の迫力と音のスケール感にある程度のバランスが必要だと思って
いるのですが、私の場合、スクリーンもテレビも同じポジションで観ている事から、テレビ
の画面から視聴ポイントまで、約3mの距離になってしまいます。
この距離ですと、50インチ画面でも少々物足りない感じになるのですが、これでスクリーン
の時と同様に音を鳴らしてしまうと、画面サイズに対しサラウンド空間の方が圧倒的にスケ
ールが大きくなり、画面が音に負けてしまっている感じになります。
包まれ感のあるDTS-HD_masterでは余計に違和感を覚えてしまいますね。
逆にフロントに音が平面的に展開するドルビーPLⅡzモードであれば、50インチ・テレビの
画面でもあまり違和感を感じずに済む事から、いわばテレビ専用モード的に使用している
感じもあります。
もっとも、最近はテレビ専用に2.1chシアタースピーカーを追加していますので、フロント
ハイトSPを使う機会は益々減少傾向にあります・・・。
折角苦労して天井に設置したのに、これでは意味がないですね。(汗)
ドルビーPLⅡzモードを否定するつもりはありませんが、まだまだ改善の余地がありそうな
気がします。
個人的にはサラウンドバックSPを使った7.1chシステムにフロントハイト的にBATPUREを
アドオンした方が気持ちのいいサラウンド空間が楽しめるのではないかと思っています。