今回は旧日本軍が日露戦争から太平洋戦争まで
40年間使った38式歩兵銃について述べる。
実は38式歩兵銃はアメリカの技術より1世紀先をいっていた。
38式歩兵銃は明治38年=A.D.1905年制式化の銃だ。
これの長所は有効射程が4kmもあり、弾道もまっすぐ安定していた。
単純に有効射程だけならアメリカ軍が1960年に制式化した
M-16ライフルでも2km。アメリカの半世紀前にその2倍分の技術
で作られたということは単純計算でも1世紀先をいっていたことになる。
6.5mm口径弾x5発。ボルトアクション式。この辺は時代を感じさせるが
有効射程の長さを生かせば、先端にサイレンサー、グリップ付近に
3-4倍率程度の望遠鏡を接続すれば、まだ充分スナイパーライフルとして
使える性能だ。先の大戦でフィンランド軍がソ連軍を相手に日本から輸入した
38式歩兵銃を使ったのは有名な話だ。他にもスペイン内戦当時のスペイン共和国軍
大戦直後から1950年代のアジア太平洋各地の独立蜂起軍。
そして中国・ベトナム・タイ・ラオスなどの東南アジア諸国。これ名の国や地域の
軍隊でも1960-70年代まで38式歩兵銃は使われていたのだ。また50年代に
当時のエストニアSSRの武装抵抗組織・森の兄弟もフィンランド軍払い下げの
38式歩兵銃をイギリス・ヴィッカース社の7.7mm口径規格に直し、現地の共産政権を
相手に戦った。これだけでもいかに38式が信頼度の高い傑作銃だったかがわかる。
性能の高い兵器ほどより長く使われるのは世界的な傾向だからだ。
やはりこうしたことも我々日本人が誇っていいことだ。
そもそも日本はいつまで馬鹿げた平和教育をやるつもりだろうか?