かつて、ミニシアターブームの草分け的存在だった
渋谷スペイン坂の シネマライズ が、
1月7日に思いの外ひっそりと閉館してしまいました。
自分で写真を撮っていなかったのでwikiより転載させていただきました。
「 黄金のアデーレ 名画の帰還 」を最後に
特に閉館イベントも行われずに
通常興行で30年の歴史に幕を降ろしました。
自分がミニシアター系作品にまで
本格的に手を出し始めたのはここ5年位であり
頻繁に訪れたハコではなく
正直それほど思い入れはありませんでした。
「 黄金のアデーレ 」は、シネコンで観てしまったし
閉館イベントでもあれば考えましたが
特に別れを惜しみに行く事はしませんでした。
こちらの写真はムービーウォーカーさんより。
初代シネマライズとしてオープンした
地下の220席のハコと
2階の303席のハコに
バーだった地下のスペースを改築した38席のライズXと
一時期は3館体制で運営されていましたが、
2010年に303席のハコだけ残して1館体制に戻りました。
最後まで残った303席のハコは
2階席も有するミニシアターとしては規模が大きく
ここの前身は、松竹直営の 渋谷ピカデリー( 初代 ) で
結婚前に妻と「 レナードの朝 」を観た記憶があります。
ピカデリーが閉館した後しばらくは
メリーゴーランドがあるレストランだった様な気がします。
自分が、シネマライズで観た作品を辿ってみると
2004年
茶の味
2010年
フローズン・リバー
息もできない
2011年
ソウル・キッチン
スコット・ピルグリム vs. 邪悪な元カレ軍団
奇跡
女と銃と荒野の麺屋
2012年
ヴァンパイア
2013年
アンチヴァイラル
2014年
嗤う分身
・・・が最後に観た作品で丁度10本。
考えたら昨年は一度も訪れていませんでした。
伝説になっている
ミニシアターとしての知名度を上げた
「 ホテル・ニューハンプシャー 」のヒットも
1986年当時に都内ミニシアター最多観客数を記録した
ヴィスコンティの「 ルードウィヒ/神々の黄昏 」も
ミニシアター・ブームに入ってからの
タランティーノの「 レボゼア・ドッグス 」も
ダニー・ボイルの「 トレインスポッティング 」も
あの「 ムトゥ 踊るマハラジャ 」も
33週のロングランとなったジェネの「 アメリ 」も
自分は、シネマライズでは観ていないので
このハコに思い入れがないのも当然なのです。
ミニシアターの本来の姿は、単館上映の価値が伴うべきものだと思うのですが、
1990年代のミニシアター・ブーム以降、複数館での上映も多くなり
首都圏ドーナツ型シネコン乱立期を経て
シネマライズ上映作品がシネコンでも同時公開される事が増えたのを境に
その価値観が衰退してミニシアターの必要性が薄れて行ったのは事実です。
シブヤ・シネマソサエティ
渋谷シアターTSUTAYA( 後の オーディトリウム渋谷 )
渋谷Q-AXシネマ
シネマ・アンジェリカ渋谷
シネセゾン渋谷
シアターN渋谷
ここ数年で灯を消していった
個性豊かな渋谷のミニシアターたち・・・
UPLINKと
ヒューマン・トラスト・シネマ渋谷 に
名画座の シネマヴェーラ渋谷 は
若干意味合いが違うので別にして
ユーロスペース
そして最近メジャー寄りな変な作品編成で行く気がしない・・・
シネクイント
もう渋谷のミニシアターも
残すは、2館だけです。
シネマライズの最後の作品が、
シネコンにも掛かった
「 黄金のアデーレ 」だった事が
本当に残念でなりません。
一応の想い出として・・・
最後にシネマライズのオリジナル・マナー広告を貼り付けておきます。