さて、黒田バズーカ第2弾炸裂で、週末金曜日には6年ぶりの強烈な上げ幅で、7年ぶりの株価水準まで一気にぶっ飛んだ日経平均。
ほんの2~3週間前まで、IMFによる世界経済の下方修正、ヨーロッパ各国や中国を中心に予想を次々と下回った経済指標、QE3終了後の投機マネー収縮、消費増税後の個人消費の落ち込みと更なる税率アップへの不安、エボラ出血熱の感染拡大による世界景気への影響等、不安材料が毎日のように新聞の紙面で踊るなかで、日経平均の底割れムードまでただよっていたのがウソのようです。
今回の追加緩和により、これらを含めたさまざまな問題が解決するのかといえば、もちろんそういうものでもないわけですが、少なくとも「本当の意味での景気回復は幻想でしかなく、アベノミクスはすでに失敗に終わっているのだよ!」というムードに対しては、「実は、方法はまだイロイロとあるのかもよ。あきらめるのは早いんじゃない?」っていう期待?・・・・少なくとも、悲観的な結論の先送りには見事に成功したし、これにより短期的には日本株を極端に売り込むことは、できなくなったように思えます。
世界中の株価が黒田バズーカ第2弾の影響で上昇したことからも、意味は非常に大きかったといえます。
このような中で、明日からの相場に対する戦略っていうか、対策でも立てようかなって思っている次第ですが・・・・・
相場格言で“二日新甫は荒れる”ってのがありますが、11月は“四日新甫”で始まりますね。
この格言は、“その月が荒れる”という意味と、“その日が荒れる”という二つの意味で使われますが、11月が荒れるかどうかは別にして、少なくともナイトの先物やCMEの結果から考えると、明日が大幅なGUで始まることは間違いないとして、寄付きの買い一巡後に“荒れる”可能性はありますよね。
寄付きを買って、もしも大陰線で引けたりしたら、週末のあの喜びが、大きな落胆に変わってしまうので、前回のバズーカの時の動きを検証してみようと思います。
前回は、昨年4/4(木)に行なわれた黒田日銀総裁就任後初の金融政策決定会合での決定事項として、“量的、質的の両面からの大胆な金融緩和(黒田バズーカ)”を、会合終了後に記者会見で発表。
①4/3(水)の日経平均は12362円。翌、4/4(木)の日経平均は、前日比▲174円の12188円で寄り付いた後さらに売られて、一時▲287円の12075.円まで下落していたのですが、“異次元緩和”とも言われたこの発表内容を好感して一転して急騰、②終値は前日比で272円値上がりの12634円で高値引けと、一日で559円もの値幅の急上昇となりました。
③翌日の4/5(金)は、前日比246円値上がりの12880円で寄り付いた後、さらに大幅上昇して、高値は前日比591円値上がりの13225円まであったのですが、週末ということもあって急速な上昇に警戒感が高まり手じまい売りがでて失速、④終値は前日比199円値上がりの12833円で、寄付よりも安く終了しました。
しかしながら、翌週からは再度非常に強い動きとなり、⑤発表の1週間後である4/11(木)の終値は13549円と堅調に上昇、その後も1ヶ月あまり非常に順調に上昇を続けたものの、引値ベースでは⑥5/22(水)の終値15627円が大天井となりました。
翌5/23(木)はGUの15739円で寄付いてさらに上昇、前場に15942円の高値を付けた後、明確な理由もなく突然に急落し、リバウンドも全くないままに安値引けとなった終値は14483円。
なんと前日比▲1144円もの歴史的な大暴落となり、当日高値と比較して▲1459円という驚異の値幅の下落でした。
この日を境に相場は完全に下落トレンドに転換、多くの投資家の悲鳴とともに下落し続けた相場が底を打ったのは、営業日にして高値の5/22から16日目の6/13(木)であり、その日の終値は12445円。
高値の5/22の終値と比較して、率にして▲20%強、値幅で▲3182円という強烈な下落でした・・・・
・・・・ってことで、上記文章中の①は、バズーカ前日の4/3終値、②は、バズーカ当日の4/4終値、③バズーカ翌日の4/5寄付き値、④同日終値、⑤バズーカから1週間後の4/11終値、⑥日経平均の歴史的大暴落となった5/23の前日の5/22の終値で、見てみようと思います。
ただし・・・・、当然のことながら前回との環境の違いを加味する必要があるので、思い浮かぶこととして・・・・
前回よりも有利そうな点
・当時は裁定買い残高が増加傾向かつ高水準(3兆3800億円程度で、当時としては5年弱ぶりの水準)であったのに対して、今回は急低下中で、直近でも最低水準(2兆4700億円程度で今年最低水準)と需給環境は今回が明確に有利。
・カラ売りは過去最高水準とも言われており、これも需給に好影響。
・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式運用枠拡大は、需給に圧倒的なインパクト。
・金融緩和の象徴的業種である不動産関係や倉庫といった、本来上昇しやすいセクターについて、前回はアベノミクススタートから半年間上がり続けて非常に高値であったが、今回はどちらかというと不人気業種であったため水準が低いという傾向が顕著にみられるので、本命が出遅れており修正されやすい。
・また、証券、銀行、その他金融銘柄の一部にも、その傾向が見られる。
・前回と比較して、量的にも質的にも緩和内容のボリュームが大幅にアップしている。
前回よりも不利そうな点
・今回は消費増税の悪影響が顕在化しているうえに、追加増税決定の可能性も非常に高い。
・アメリカのQE3終了により、投機資金が確実に減少する。
・アメリカ以外の国の多くは景気が明らかに鈍化しており、その影響で日本の輸出に急ブレーキがかかる可能性がある。
・日本の景気は減速傾向が顕著であり、景気回復への夢のあった前回と比較して、マインドが明らかに悪化している。
・安倍内閣で閣僚の問題が頻発し、政治不信が高まっている。
どちらともいえない点
・前回はアベノミクスに対する期待が高く、相場は上昇トレンドのなかで2段ロケットが発射したようなイメージであったが、今回は期待がはげつつありトレンドも上方向とは言えない状況。ただし、それだけにリバウンド余地も大きいとも考えられるので、中立的といえる。
・なんとなく、前回と比べてアベノミクスそのものに世間の興味というか、過熱感がないことが、良いような気もするし悪いような気もする。
・・・って言ったところでしょうかねー。つまり、需給は好転、景気は悪化が進行の綱引きって感じです。
まあ、実際はまだまだあるのでしょうが、この辺りを念頭入れたうえで、金融緩和の代表的銘柄として、三菱UFJ(8306)、野村HD(8604)、三井不動産(8801)、アイフル(8515)、オリックス(8591)と、REITの日本リテールファンド(8953)あたりで検証してみると・・・
あ、なんか長くなったのでさっきのをもう一回書いておきますね。
①バズーカ前日の4/3終値、②バズーカ当日の4/4終値、③バズーカ翌日の4/5寄付き値、④同日終値、⑤バズーカから1週間後の4/11終値、⑥日経平均の歴史的大暴落となった5/23の前日の5/22の終値ということで、検証です。
三菱UFJ(8306)
①548 ②578 ③640 ④607 ⑤672 ⑥699
うーん・・・、これを見る限り③のところ(つまり今回ならば明日の寄付)で売るのも一つの手なのかもしれませんが、意外に動かず面白くなかったといえますね。ちなみに終値ベースでの最高値は5/15の732でした。
野村HD(8604)
①560 ②579 ③609 ④602 ⑤760 ⑥956
これは、最初は静かでしたが、しばらく引っ張って持った方が圧倒的にパフォーマンスが上がっていますね。ちなみに終値ベースの最高値は5/20の969でした。
三井不動産(8801)
①2718 ②2930 ③3430 ④3310 ⑤3460 ⑥3270
・・・・う。あくまでも前回ですが、③のところ(今回ならば明日の寄付)で売るのが絶対に良かったですね。上記の“前回よりも有利そうな点”に書いたように、不動産は前回はすでに高値まで買い上げられていたってことが主因と考えられるので、今回は違うとは思いますが・・・。ちなみに終値ベースの最高値は4/12の3600でした。
アイフル(8515)
①627 ②727 ③800 ④771 ⑤859 ⑥1195
日々でも相当の上下があり、短期で噴き値売りの押し目買いに徹して付かず離れずでいくのか、あるいはガチホがよかったですね。終値ベースの最高値は5/13の1476でした。
オリックス(8591)
①1165 ②1213 ③1453 ④1393 ⑤1479 ⑥1614
アイフルと似た対応でよいと思いますが、比較すると乱高下がより少なかったので、握りしめていた方がより良かったようです。終値ベースの最高値は5/17の1638でした。
日本リテールF(8953)
①216300②223100③233100④245000⑤228600⑥214600
リートも不動産同様に、それまでの半年間上がりっ放しだったので、金融緩和への反応は非常に乏しかったです。終値ベースでの最高値は4/5の245000ということで、今回でいえば明日の終値をその後に抜くことはなかったということです。
前回のバズーカ後に関しては、本来は本命であるはずの不動産やREITがもうからなかった印象があったのですが、上記以外の銘柄もいろいろと検証してみたところ、軽量級の銘柄の短期勝負以外は、本当に儲かってないですね。
リターンリバーサル効果がもろにあらわれて、直近で大幅に上昇していたことがこれらの業種の不振の主因と考えられるので、今回は当てはまらないように思いますが「必ず上昇するはず!」っていう思い込みは、持たない方が良いのかもしれません。
また、直近で上昇している業種が頭打ちになるのだとすれば、空運、食料品、水産・農林、医薬品あたりのパフォーマンスが悪化するのかもしれません・・・・
また、緩和策の内容から考えると、GPX400組み入れ銘柄から選択すべきだし、今回はREITも外せないように思います。
需給で考えると、踏み上げの可能性がある好取組銘柄も良さそうだし・・・・・
うーん・・・、ムツカシイ・・・
ちなみに、きゅーたが金曜日に信用で買って持ち越した緩和関連は、8306、8411、8303、8304、8508、8515、8518、8519、8572、8591、8424、8604、8613、8801、8830、8892、3250、3254、3284、9301、9302、3281、8975、8953と、ろくに調べもせずに思いつくままに買って、逆に今まで持ち越していた新興市場系の銘柄の多くを決済したので、銘柄が大幅に入れ替わってしまったのですが、やりすぎ感が強いので、明日はどう整理をつけるか思案中です。
前回は、異次元緩和発表から高値までは31営業日で、そこから底打ちまでは16営業日。
今回に当てはめれば、高値は12/17頃となりますが・・・、さて、どうなるでしょうか?
しっかし、専業になってからは長文を書くこともあまりないので、なんか疲れた・・・。ふう。
明日の相場、上手くいきますように・・・・・
いつも、アリガトウございます!
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