「バカリズムの悪女伝説」でやってた伊藤野枝さんとその周辺を占って見ます。
伊藤野枝(いとう のえ、1895年1月21日 - 1923年9月16日)。
九星流占命術では天沢履・土生沢・土生天。
無礼を働くも性的魅力や金銭を生み出し、成果を出す人生です。
伊藤野枝さんは戦前に活躍された女性運動の先駆者ですが、夫と幼い子を捨てて反体制の革命家の男に走ったことで世間から悪魔だの淫乱だのとバッシングを受けました。
また、がさつでオムツのウンチを窓から放り投げ、汚れたオムツをそのまま使っても平気な人だったそうです。
この野獣性はまさに天沢履の虎の尾を踏む無礼者ですね。
彼女は結局関東大震災のドサクサに憲兵に虐殺されるのですが、もう少し長生きすれば中盤終盤の相生の五黄卦が力を発揮し、女性運動で偉大な功績を挙げられたでしょうから惜しいことです。
最初の夫である高名な思想家の辻潤さんを占うと、
1884年10月4日生まれで、風山漸・沢山咸・沢風大過。
ゆっくり前進し、人と感応し、重圧の掛かる大役を得る人生です。
この方は50歳くらいから頭がおかしくなり、精神病院に入れられたり虚無僧として全国を放浪した挙句、最後は自室で餓死しています。
これは三命卦を裏返した山風蠱・山沢損・風沢中孚の内容の方が近いですね。
心が腐り、損害を出し、純粋になっていっています。
最後の中孚は孵化前の卵を意味し、純粋無垢ですが、離婚した元夫を罵倒する動画をアップした女優のような悪い意味でのピュアさとして現れる場合もあります。
重圧が掛かったせいで気が触れてしまうんですね。
伊藤野枝さんとは教師と生徒の関係で、それが恋仲になったことでバッシングされ教職を失ってますが、結局野枝さんに裏切られ幼子を一人で世話する羽目となり、失意のどん底に落ちてますので、沢風大過の重圧という意味でも合ってます。
伊藤野枝さんとの相性は、
伊藤:沢山咸・天風姤・土生沢。
相思相愛となり、突発事件を起こし、金銭運や性的魅力を発揮する。
辻:山沢損・風天小畜・沢漏土。
損失を出し、渋滞に巻き込まれ、金銭が漏れ出す。
これはそのままですね。
伊藤さんの方が辻さん宅に押しかけ、結婚されてますから沢山咸。
しかし唐突に革命家に寝返ってますから天風姤。
最後は辻さんを踏み台に論壇でも地位を得て雑誌の編集権を平塚らいちょうさんから譲り受けていますので土生沢。
逆に辻さんから見れば損害に渋滞に金銭の漏洩ですから散々です。
続いて革命家の大杉栄(おおすぎ さかえ、1885年1月17日)さんを見ると、火山旅・火山旅・離為火。
さまよい世界に旅立ち、情熱が燃えたぎる人生です。
この方はフリーセックスを提唱し、愛人を数人従えながらも彼女達に経済的自立を強要し、その癖自分はヒモになっているような人です。
結果、愛人の一人に刺され、新聞から袋叩きに遭い、革命家仲間からもはぶられ、最後は伊藤さんを巻き添えにして憲兵に虐殺されています。
火山旅を逆さにすると山火賁であり、夕日のような中身のない虚飾、虚栄ですので、世界に打って出るような革命的な大法螺を吹いた内容の伴わない人だったのでしょう。
伊藤さんとの相性は、
伊藤:沢山咸・天火同人・土漏火。
感応し、仲間となり、情熱が空回りして土台が崩れる。
大杉:山沢損・火天大有・火生土。
損失を出し、天下を取り、情熱が土台を築く。
相性としては大杉さんにとって好都合ですが、伊藤さんからは逆にエネルギーが漏れています。
しかし序盤は辻さんと同じく相思相愛で、中盤は仲間ですから最高です。
最後も漏れてるからこそあくせく動き回り執着しますので、腐れ縁です。
大杉さんを刺し、後に衆議院議員として5期を務めた元新聞記者の神近市子さん(1888年6月6日)はというと、巽為風・雷風恒・雷風恒。
状況に流されるも安定する人生です。
この方は傷害で2年半くらい懲役を受けていますが、巽為風の歯止めの掛からない行き過ぎた行動として合ってますね。
毎回言ってますが巽為風は犯罪絡みの危うい卦です。
しかし服役後に政治家になられており、周囲からの人望も厚く、雷風恒です。
刃傷沙汰を起こした時も自分の稼ぎを大杉さんに注ぎ込み、大杉さんはそれを伊藤さんとの生活費に当てており、それを知り激怒した結果の犯行ですので、当時の新聞も同業の彼女を庇い伊藤さんを悪魔扱いしています。
ちなみにこの経験から大杉さんと伊藤さんは娘に悪魔の子という意味で魔子と名づけられており、このことだけでも常識外れのお二人だと知れますね。
神近さんと大杉さんの相性は、
神近:風山漸・風火家人・雷火豊。
ゆっくり進み、家族的になり、豊かさに怠けます。
大杉:山風蠱・火風鼎・火雷噬嗑。
心が腐り、浮気するほど人と調和し、噛み付きます。
これを見ると、悪いのは明らかに大杉さんですね。
実際は神近さんが刺してますが、先に噛み付いたのは大杉さんです。
だからこそ世間の同情も神近さんに集まり、5期も政治家を続けられたのでしょう。
神近さんと伊藤との相性は、
神近:風沢中孚・風天小畜・雷剋土。
純粋になり、渋滞し、敗戦する。
伊藤:沢風大過・天風姤・土侮雷。
重圧が掛かり、突発事件を起こし、独立をいきり立つ。
伊藤さんは大杉さんの正妻や神近さんに負ける気がしないと文面で豪語されてますので、かなりいきってます。
初めは三番手四番手の愛人から最後は捲り上げていますから、重圧からの突発性、そして独立です。
神近さんからすれば頭が真っ白にされますし、渋滞ですし、最後は敗戦です。
伊藤さんが亡くなった後も神近さんは長らく伊藤さんへの罵詈雑言を友人である瀬戸内寂聴さんに話されていたそうですが、恨み骨髄になろうとも初めから相性的に神近さんに勝ち目はありませんでした。
続いて九星流姓名判断で見ると、伊藤野枝はペンネームでしょうが、
若年運:水雷屯、中年運:雷風恒、晩年運:沢雷随。
対人運:土劫地、社会運:火風鼎、全体運:山敗土。
内面前半:火雷噬嗑、後半:山地剥、家庭運:地敗土。
三才:水雷屯・雷水解、雷沢帰妹・沢雷随、沢水困・水沢節。
人格は秘密主義で安定し、上下に厳しく目上に従順です。
対人は何でも飲み込み成長し、人と調和し、魔物に振り回されます。
内面は人に噛み付き、傲慢さから地位を剥奪され、家庭では魔物を宿します。
目下とは解体され、目上には分不相応な望みを抱きちぐはぐし、環境的には節度を守らないと困窮します。
注目は全体運と家庭運の魔物である五黄との絡みですね。
内面でも外面でも革命家に振り回されています。
また彼女自身内面が闘争的で傲慢ですから、早晩身を崩します。
三才も分不相応と困窮で合ってると思います。
対人の成長性と社会での調和と内面の安定感が吉卦だっただけに惜しいですね。
革命家の大杉さんはというと、
若年運:天地否、中年運:震為雷、晩年運:水地比。
対人運:風水渙、社会運:天雷无妄、全体運:天雷无妄。
内面前半:山水蒙、後半:山地剥、家庭運:風雷益。
三才:天雷无妄・雷天大壮、雷水解・水雷屯、水天需・天水訟。
人格は人と決裂するもカリスマ性があり、自他共に切り付ける天才であり、リーダーです。
対人は関係性を散り散りにし、天に愛されるも道を外れると天罰覿面です。
内面は盲目的で傲慢さから地位を剥奪され、家庭では利己的に利益を出します。
目下に対して暴走し、目上を解体し、環境では訴訟沙汰になるもチャンスを待ちます。
こちらも大体合ってると思いますが、天才的なカリスマです。
結果自他共に切りつけ、地位を失いますが、それは反体制で目上を解体しようとした反動としての天罰なのでしょう。
と言うことで以上ですが、概ね合致しているようです。
100年前の色恋事件も今と同じ運命のからくりで突き動かされた結果というのは感慨深いですね。