さて、荒木飛呂彦さんです。
前回は原字を用いた鑑定でしたが、今回は旧字で見ます。
まずは本名からです。
荒(10) 木(4) 利(7) 之(4)
若年運、人格(中年運)、人生前半の内面性、家庭運に変化はありません。
社会運は震為雷で、キレキレの才能が自他共に切り付ける諸刃の刃です。
原字だと土侮雷の五黄卦でしたので、オリジナリティを悪用・乱用する性質から独自の才気そのものへと変わります。
何かと土侮雷の五黄卦の代表例として荒木先生と取り上げましたが、それが不適切だった事になります。
まだ原字派が間違いとは言い切れませんが、訂正し、お詫びします。
人生後半の内面性は山地剥で、気位の高さが地位を剥奪させます。
原字だと産みの苦しみの水雷屯でしたが、こちらは一層厳しい卦となり、内面的葛藤の激しさが気遣われます。
対人運と晩年運は五黄×地の比和で、混沌の受容性が何でも飲み込み、糧とし、破壊力抜群の創造性を発揮する芸術家の卦です。
原字だと沢地萃で高い人気運を誇りましたが、こちらの場合は人、先人に対する貪欲な吸収力を示し、これがポージングやネタの借用を示唆しています。
これは宮崎駿さんも同様の卦を持っており、芸術は模倣の蓄積と突破ですので、一概にパクリとは言えないようです。
人生全体を支える総画は沢雷随で、目上に従い、すんなり成長する素直な卦です。
原字だと敵を噛み砕く野蛮な火雷噬嗑ですので、上品な荒木先生にはそぐわないと思われます。
続いてペンネームを見てみます。
荒(10) 木(4) 飛(9) 呂(7) 彦(9)
若年運、人格(中年運)、人生前半の内面性、家庭運は、本名と同じく変化はありません。
社会運は雷風恒で、安定性があり、奇をてらった事はしません。
原字だと土侮風の五黄卦で、情報ネットーワークを制し、商売を成功させる卦でしたが、世界的評価を得たのは最近のことですので、少し這うように感じます。
一定の人気を確保しているので、旧字の方が正しいようです。
人生後半の内面性は水雷屯で、本名の原字と同じです。
原字だと復活の地雷復で、前提として一度落ち込む必要がありますが、荒木先生は安定して人気があり、それには当たりません。
対人運は山雷頤で、旺盛な食欲と底無しのおしゃべりで顎を良く使う社交術に長けています。
原字だとインフラ整備の水風井で、前提として何か壊れた関係がなければなりませんが、荒木先生は豪華な社交性は似合っても安全管理と言ったみみっちい作業には不似合いですので、やはり旧字かなと思います。
人生全体を支える総画は雷剋土の五黄卦で、オリジナリティの為に身を犠牲にされます。
これは土侮雷と違い、正真正銘の正当なオリジナリティです。
それが重要な総画にありますので、荒木先生の独自性は本物のようです。
パクリ問題は事実ですので隠しようがありませんが、だからと言って先生の個性が損なわれる訳ではなく、やはり明白な作家性をお持ちです。
原字だと五黄×五黄の最強の五黄卦でしたので、こちらもカルト人気を呼びそうな強い力がありますが、冥府の力には破壊作用もありますので、異常な環境の中での精神の健全性、人生賛歌をテーマとする荒木先生の作風とは微妙に合致しない気もします。
晩年運は本名と同じです。
全体としてはオリジナリティを司る場所がずれ、より適切な配置に収まった感があります。
また火雷噬嗑や地雷復、水風井など、荒木先生には不釣合いな半凶の卦が消え、強運の成功者らしくなりました。
荒木先生のプライベートは明らかにされていませんが、旧字の方に軍配が上がるように思います。