昨日、湖本恭子 の「ピアノで綴るクラ歌謡の世界」というコンサートがあった。

湖本恭子さんには国東市観光親善大使を務めてもらっている。
その関係で、デビューした3年前からのおつきあいである。

デビュー曲は、「国東半島へ」

♪東京発 国東経由 しあわせ行き…
というサビを、歌唱力のある澄み切った声で歌い上げる。


彼女は大分市生まれ。
国東に住んだことがない。

けれど、お祖父ちゃんやお父さんの口から国東の良さを聞かされて育つうち、国東が心の故郷になったと言う。


子供の頃から大学まで習ったというクラッシックピアノ。
昨日のコンサートでは、

国東の自然豊かな風景や、

千年を超える歴史遺産をスクリーンに映し出しながら、

強くまた優しいピアノタッチで、故郷国東に思いをはせるように童謡をピアノで奏でた。
時おり祖父と父の生まれた国東に帰って来ると、いつも心癒されると言う。
その愛しむような思いが、彼女の演奏や歌に現れていた。


彼女の涙ながらのスピーチは素直で、国東で出会った人々への感謝と喜びが伝わってきた。


コンサートが終わると、パーティが始まる。

彼女を愛し、彼女をもっと多くの人に知ってもらおうとする、

手作りコンサートを企画したり運営した人たちの打ち上げパーティである。

何も手伝いなどしていないのに、お酒の香り漂うパーティだと聞くと断わる術というものを知らない。
相変わらずの悪い癖である。


賑やかなうちに、皆でコンサートの成功を喜んでパーティが閉じられた。


二次会は、いつもの観光協会のメンバーでだ。

「コンサートに応援に駆けつけていた二人の男性プロ歌手より、

 ワシの方がずっとウマイ…」
と、自信満々の靴下石田さんの希望でカラオケのある店に移る。


「国東半島へ」を歌う。
それをわざわざ大分のホテルへ向っている湖本恭子さんに電話する。
歌声を聞かせているのだ。

まあ、いつもの二次会の光景である。

しばらくして、顔見知りの別の二人組み客が入ってきた。


「やった、やったぁ~。サシコが1位や!」
と小躍りするようにして、とまり木に腰掛ける。

そうか、今夜はAKBの総選挙の開票が放送されていたんだ。
AKBのメンバーなどほとんど知らないし、もともと興味はない。
ただ、大分出身のサシコこと指原莉乃が1位となると、やはり嬉しい。
何といっても、開票の様子が何時間にもわたって生放送されるほど、全国で注目されているイベントなのだ。

でも…。
冷酒用のグラスに入った赤ワインを揺すりながら、思ったりする。
商業的イベントで15万票を集めたと騒がれている全国的なアイドルより、

自然豊かな国東の妖精のようで実力派の歌姫の方が個人的にはずっといい…
国東の良さは、これなのだから。


すると、カラオケを歌いながらこちらの話を聞いていたのか、靴下石田氏がマイクを置いて言う。


「えっ? 指原が1位? 早速お祝いの電話をしちゃらんと…」


そして、さっきまで湖本恭子さんに歌声を聞かせていたスマホに向かって、大きな声を浴びせている。


「良かったなぁ~。

 莉乃ちゃんも苦労したからなぁ~

 またあらためてお祝い会でもやろうぇな…」

やけに親しそうである。
聞くと、相手は指原莉乃の母親で、高校時代からの友達だと言う。

靴下石田氏。
そう言えば、湖本恭子さんの歌唱力と演奏を最初に認め、

観光親善大使に任命しようと言い出したのも靴下石田氏だった。


ただモンじゃない。
湖本恭子も、指原莉乃も、靴下石田氏も…