国東半島には、白砂青松の海岸が続く。
半島の東側に海を埋め立てて滑走路を作った大分空港があり、
その空港を挟むように、南北におよそ14、5kmの綺麗な砂浜が伸びている。
その国東の海岸に平成22、23、24年と、アカウミガメが上陸した。
砂浜の海水に浸らない場所を選んで産卵をするのだ。
ウミガメの産卵の環境作りや保護をしているグループ、
「国東半島うみがめプロジェクト」は、
今年の夏から3年間、
毎年500匹の稚ガメを放流する計画を立てているという。
ウミガメには、母浜回帰の習性があると言われている。
つまり、成長したカメは生まれ故郷の浜辺に戻ってきて、
産卵をするという説である。
放流する稚ガメには、識別できるインナータグや発信機を埋め込むのだそうだ。
これによって、世界中どこを泳ぎまわっていても、
国東半島で生まれたカメであれば、瞬時に判るという算段だ。
地ガメの放流の方法は…
日本で一番ウミガメの産卵が多い屋久島から毎年500個の卵を移送する。
国東の海岸で一番適した環境の場所に埋め戻す。
生まれかえった稚ガメは、自力で地表に這いずり出てくる。
その時インナータグを埋め込み、稚ガメは大海に泳ぎ出る…
多くの外敵から奇跡的に生き残った稚ガメは、
太平洋を渡りメキシコの西海岸あたりで成長するのだという。
中には、東シナ海や南シナ海で大きくなるのもいるという。
そして、30年ほどして、成長したウミガメが戻ってくることになる。
いやはや、なんともロマンチックな計画である。
500個×3年間。
全部稚ガメになったとして、1500匹。
そのうち、果たして何頭のウミガメが国東に戻ってくるのだろうか。
ちょっと待てよ。
戻ってくるカメの数より、こっちの歳の方が問題だ。
うーんと、30年後っちゅうと…
そん時ゃ、もう卒寿間近の爺さんとなっている。
もうすっかり痴呆症となったグシャグシャの脳みそで、
ウミガメが生まれ故郷の海岸に戻ってきたという朗報を、
理解できればいいが…。
いやそれとも、墓石の下で静かに眠っているかも…
わが家の代々墓は、砂浜の海岸べりに建つ。
ウミガメの産卵に適したような砂浜のすぐそばで、
メキシコ西海岸育ちのウミガメの帰郷を、
いの一番に出迎える場所で眠っているようなものだ。
生まれた翌年の夏。
まだ生後8、9ヶ月の頃の写真。
産着のまま抱っこされて、
アカウミガメの甲羅に乗せられて映った写真も、
アルバムに残っている。
小学生の頃、近くに海水浴に行った時、
海に戻りそこなって弱った稚ガメを見た記憶もある。
ウミガメは、日本の海岸線ならどこでも産卵するのかと思っていた。
が、今度初めて知った。
瀬戸内海でウミガメの産卵する海岸は、
国東半島だけなのだそうだ。
先日、「国東半島うみがめプロジェクト」が開催した講演会に参加する機会を得た。
講師の屋久島うみがめ館館長の大牟田一美さんの話や、
隣に座った「おおいた環境保全フォーラム」代表の内田 桂さんから
ウミガメの生態や、
ロマンチックかつ壮大なウミガメ放流のプロジェクトを伺いながら、
あらためて自分の住む国東半島のすばらしさに気づいている。
