今夜は、高校時代の仲間とちょっとした飲み会である。
誰それの誕生日だから…
仲間が里帰りしたから…
とか何とか理由付けては、集まって飲んでいる。
年が明けてからまだ一度も飲んでいないから…と、久々に声をかけた。
名目は、1月生まれと2月生まれの誕生祝である。
今夜参加するメンバーの一人に、先日ベトナムに行っていたという女性がいる。
ご主人の仕事に付きあって、何度かベトナムに行っているらしい。
「最近出回っているので、遅くまでは付き合えないよ」と言う意味なのか、
「ベトナムで暴飲暴食が過ぎたので、控えめに…」
という参加表明があった。
幹事は、飲み会の案内の時点から、ワクワクさせねばならない。
出欠確認をしながら、すでに飲み会が始まっているかのように盛り上げる。
またそうすべきであると、そう思っている。
全員に行き渡るメーリングリストに書く。
そんなこと言っていないで、前夜はしっかり熟睡して、終わりなき宴に備えるように…、と。
そして、付け加えた。
ベトナム帰りの方は、いまだ衰えぬ美貌にお似合いの、ベトナム土産のアオザイを着て…
そして、相変わらずの美脚を披露していただきたいものです…と。
すると、こっぴどくお叱りのメールをいただいた。
Qとん君、アオザイを見た
ことあるの?
Qとん君の見たアオザイは
都町のオネエちゃんが
着てたんでしょ。
でもね、アオザイって
深いスリットが入ってる
けど、下にパンツ(ズボン)
履くんだもんね。
チラっとも足は見えません。
残念でした。
スケベおやじのために、わざわざパンツに注釈のカッコが付いて、ズボンとまで説明してくれている。
確かに、ベトナムに行ったことはない。
アオザイをウェブサイトで調べて、自分の認識が大きくかけ離れていたことに気づいた。
あのヒラヒラの素材が、麻か絹かは知らないけれど、触れると体の温かみまで伝わってきそうな薄さ…
いや、まだ直に触ったことなどあるはずもない。
アオザイは、化粧っ気のない、楚々とした健康的な笑顔のベトナムの女性に似合うと思う。
湿った暖かい南国の風にその裾がめくれると、すらっと伸びた小麦色の美脚がのぞく…
思っていたのは、心の深層にある、自分の欲望によって作りあげられたアオザイであったか…
しかも、どうやらチャイナドレスのデザインをイメージしてしまっていたらしい。
それにしても、ひょんな所でアオザイに対する認識不足を披露してしまった。
それも、高校時代からの気の置けない仲間たちに…である。
今夜の久々の飲み会。
酒の肴にされるのは、間違いないようである。