昨日、南米のチリで大地震があったらしい。
マグニチュード8.8だったと言う。
すでに被災者や被害の一部が報道されているが、これ以上被害が大きくならないことを祈る。
その地震による津波が、今日の昼頃日本列島に到達するらしい。
子供の頃、映画ニュースで、三陸海岸に押し寄せた大津波の映像の記憶が蘇る。
太平洋を渡ってくる自然の脅威。
大きな被害がでないことを祈っている。
津波と言えば、2004年12月のスマトラ沖大地震によるインド洋の大津波が記憶に新しい。
また日本でも、1993年7月に北海道の奥尻島を襲った大津波は、多くの被害者を出した。
一夜明けて、その惨状が明らかになるにつれ、一気に襲ってくる津波に対して、人間は何もできないのではなかろうかと虚しくなったことを覚えている。
ところで、昨日早朝、沖縄でも地震があったことをご存知だろうか。
バンクーバ時間に影響されて、最近は朝早くからテレビのスィッチを入れる。
昨日も朝5時半に目覚めて、NHKを見ていると…
突然、地震速報が流れ、その後東京の放送センターからの地震情報になった。
震度は、5弱。
現地の人によると、縦揺れの後、横揺れが長い間続いたらしい。
コンビニなどで棚から商品が落ちる被害は少なかったと報道されていた。
しかし、津波警報が発令された。
「海岸部の住民は、直ちに安全な高台へ避難してください…」
そのような内容が、アナウンサーによって何度も何度も繰り返されていた。
具体的に避難せよとまで聞くと、沖縄の青い海に黒い海水の塊が押し寄せてくる様子まで想像してしまう。
被害がなければいいがと思ってテレビを見ていると、どこかの役場の職員と電話が繋がった。
NHKも、現場の正しい情報を少しでも取ろうとしているのである。
「えーっと、今のトコは…
水道管が破裂したと言う連絡が、1件だけですかね…」
その職員は、沖縄訛りの、人懐っこいのんびりした口調で報告する。
それに比べて、NHKのアナウンサーは、緊張した早口な喋り方でたたみかける。
「えっ、水道管の破裂ですね。
場所は、どこですか?
もう、現地には向かわれたのでしょうか?」
「えーっと…○○地区です。
水道管っちゅうても、個人の家の中の水道管ですから…」
役場の職員は、聞いたこともないような、字名の地名を言っている。
そう言えば、沖縄の人は夏場の乾季に備えて、個人の家でも貯水槽で雨水を溜めている…
数年前の沖縄観光での、ガイドさんの説明を思い出していた。
その後、海岸に臨むどこぞやのホテルの支配人にも電話が繋がった。
「お泊まりの客は、何人くらいいらっしゃいますか?
被害はどうでしょう?」
支配人は、冷静に1000人ほどの客が泊まっていること。
揺れがとても長く感じたけど、客は冷静であること。
今のところ、ホテル内での怪我人や建物の損傷がないことなど、質問に的確に応えていた。
支配人と電話が繋がる前まで、アナウンサーは津波警報を繰り返していたのである。
海岸部の住民に、高台など安全な場所への避難を、繰り返し呼びかけていたのである。
「今、津波警報が発令されていますが…
そのお泊まりの1000人のお客さまは、どうされていますか?
そちらのホテルは、海岸に面していると聞きましたが…」
「心配してフロントに電話をされた方には、
不安であればロビーに集まるようお伝えいたしております…」
「えーっと、ロビーは1階なのでしょうか?
高台に非難されるよう、今、津波警報が発令されていますが…
えーっと、ホテルは海のすぐそばだと…」
「今のところ大丈夫です」
「大丈夫と申しますと?」
「ずっーと、さっきから、私が沖合いを見ておりますから…」
「…」
不謹慎かもしれない。
が、思わず噴き出してしまった。
現場で地震を経験したばかりの支配人と、津波警報を伝えようとしているNHKの報道関係者。
聞いていて、その感覚に大きな開きを感じていた。
もともと予知せぬ時に発生するのが、地震である。
あっという間に、大津波が襲ってくることがある。
しかし、1000人の客を高台に避難させることなど、そう簡単ではない。
ましてや、まだ寝静まっていた時間の地震である。
泊り客を起こして避難させたりすると、パニックによって怪我人が出るかもしれない。
第一、ホテルにいた方が安全だって言うことさえありうる。
現場の責任者は、その時々の的確な判断の方が大切なのだと思う。
まずは、地震が人間の力の及ばない、自然の脅威であること悟るべきなのである。
とは言え、今ひたひたと太平洋を渡って近づいて来ている、チリ地震による津波に対しては…
24時間の心構えと準備の時間がある。
津波を止めることなど到底できるわけがない。
しかし、現代の情報網と科学の力を駆使して、災害を最小限に食い止めることができるはずである。
あの映画ニュースで見た、三陸海岸に押し寄せたあの大津波による被害を、再現してはならないのである。